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特集4:現場の事例で学ぶマネジメント連載 ヒューマン・マネジメントのテクニック(32)
 ところが、これがなかなかできないPMも多い。問題が起こるとメンバーに対処させて自分は関与しなかったり、自分の関与が限定的だったりする。問題解決には、大きな権限が必要だから、問題が起きた時点で権限の高いPMが関与しないと、問題解決スピードが遅くなったり、解決策がうまく機能しなかったりする。

 もし、PM自身が問題解決能力が低く、他のメンバーに問題解決を委ねたいと思うなら、悪いことは言わないので、PMを降りることを勧める。権限がない人間が問題を解決するのは大変だから、そういったやる気のないPMはすばやく辞め、権限を他人に渡したほうが、組織やチーム、プロジェクトのためになる。

 ● 一緒に解決することで、人間関係が強固になる

 さらによいことは、PMとメンバーが一緒に問題を解決することで、チームワークが固くなることである。問題が起こったという緊急時の精神状態では、人はそれを積極的に解決しようとしている人間に高い好感を持つ。こういう非常事態のときに、部下にまかせて遊んでいるPMはメンバーの信頼を完全に失う。

 しかし、一緒に問題を解決しようと、陣頭指揮をとっていれば、メンバーの信頼は、通常のプロジェクト活動をしているときよりも、格段に高まることになる。これは、チームビルディング面からは、非常にメリットがあることだ。だからこそ、問題が発生したときは、普段にもまして積極的にリーダーシップをとってほしい。これが、筆者の考えである。



 次回は、[プロジェクトマネジメントの考え方]の最後として、「(6)再発しないように見直す」を説明する。


■芦屋 広太(Asiya Kouta)氏プロフィール
芦屋広太氏 OFFICE ARON PLANNING代表。IT教育コンサルタント。SE、PM、システムアナリストとしてシステム開発を経験。優秀IT人材の思考・行動プロセスを心理学から説明した「ヒューマンスキル教育」をモデル化。日経コンピュータや書籍への発表、学生・社会人向けの講座・研修に活用している。著書に「SEのためのヒューマンスキル入門」(日経BP社)、「Dr芦屋のSE診断クリニック(翔泳社)」など。

サイト : http://www.a-ron.net/
ブログ : http://d.hatena.ne.jp/officearon/
連絡先 : clinic@a-ron.net

 
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