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e-learningのコンテンツ作成にあたり、コンテンツの可搬性を完全に保障する最新の世界標準規格SCORM2004が普及してきた。コンテンツとシステムのインタフェースを標準化することで、eラーニングコンテンツを安く、大量に作成できるようになってきている。以下に、SCORM2004の概要と注目すべき事項オーサリングソフト(AcademicWare AuthorV4.0等)の概要について述べる。 |
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e-learningのコンテンツは、質を高めようとすると結構手間がかかる。そこで、折角作成したコンテンツを広く使えるようにすることが求められている。
しかし、さまざまなLMS(Learning Management System)で使うにはコンテンツのインタフェースの標準化を避けては通れない。
ADL(Advanced Distributed Learning)は2001年にSCORM1.2の規格をまとめた。日本でもこの規格に適合したLMSは、20社近く存在する。
しかし、SCORM1.2については、正確な意味でのコンテンツのポータビリティについては、改善すべき点がある。SCORM2004は、この点を改良し、より効率的なコンテンツ作成を可能とする機能を導入した最新の規格となっている。 |
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■3.SCORM1.2にはないSCORM2004の特徴 |
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3−1.SCOとLMS間の制御上の相違
SCORM1.2は、下図に示すように、コンテンツ作成者は、効果的なコンテンツを作成しようと思えば、SCO(コンテンツのページ単位)の内部で固有なロジックをJavascriptなどで記述する必要があった。
したがって、SCOとしては、ポータビリティがなくなり、部品としてのSCOの意味が薄れてしまう。また、ロジックがSCOに隠蔽されるため、その保守や改良が困難であった。 |
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これに対し、SCORM2004は、ロジックがコンテンツのManifestファイルにXMLで書かれており、システム搭載時にLMSが解読し、ロジックがLMSの中で移動している。このことによって、SCOのポータビリティが増し、部品としての使用可能性が増した。またロジックが外に見える形となり、保守や改良もしやすくなっている。
さらに、SCOをどのように学習者に配信するかのシークエンス記述もでき、またSCOからLMSに対する配信依頼も可能になり、効果的なコンテンツを作成できるようになった。 |
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以上SCORM2004の優位性を述べたが、SCORM2004のシークエンス制御は、必ずしも簡単ではない。そこで、いくつかのシークエンスをテンプレートにして、コンテンツを作りやすくする方法が考えられた。 |
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3−2.ナビゲーション機能
ナビゲーションは、コンテンツを順序にしたがって見せて行く機能であるが、SCORM1.2では、この機能はLMS側で自由に搭載してよいとされていた。したがってコンテンツ作成側は、コンテンツ自体にナビゲーション機能を入れるか、LMSの独自仕様に任せるかで混乱が生じた。
SCORM2004では、ナビゲーション機能をLMS側とコンテンツ側の両方で明確に定義している。 |
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3−3.高度なコンテンツ作成機能の強化
SCORM1.2にはない高度なコンテンツ作成機能がSCORM2004に新しく規格化された。
(1)シークエンス制御1
コンテンツの1ページ(SCOという)を
・順序順に学習する(Flow)
・選択して学習する(Choice)
・前方順序のみ学習する(ForwardOnly)
に順序制御する。
(2)シークエンス制御2
学習結果で、学習順序を変更できる。
・ preConditionRule
・ postConditionRule
・ exitCondionRule
の設定が可能。
(3)ロールアップ機能
各コンテンツに目標を設定し、その目標に到達したかしなかったかを自動的に判断し、シークエンスを変更する機能。
(4)ランダマイズ機能
各コンテンツをランダムに表示する機能
(5)成績のクラスタ間の共有化機能
複数のクラスタ(一連のコンテンツ)間で成績を共有し、達成したかどうかにより実行するクラスタを選択できる。 |
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