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3年のときを経て2006年4月1日に「ITスキル標準V2」が発表され、「ITスキル標準」を改めて見直し、導入しようという企業が増えています。そこで今回は株式会社ネクストエデュケーションシンク Mr.サイトウが、ITスキル標準導入の「Uメソッド」で有名な株式会社イーネット代表取締役、ITSSコンサルタント大石雄氏に直撃インタビューを敢行いたしました。 |
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Mr.サイトウ:今日はお忙しい中ありがとうございます。2006年4月1日に「ITスキル標準V2」が発表されましたが、改めてお伺いしたいと思います。そもそも「ITスキル標準」とは何でしょうか。 |
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大石雄氏:聞きなれない方もいらっしゃると思いますので、簡単にご説明したいと思います。これは、経済産業省が定めた「IT技術者の共通指標」と考えることができると思います。例えば、高校から大学に入学するときの共通一次やセンター試験のような意識を持つことができるわけですね。そして、特徴となっているのは、単にその人がどういう能力があるのかだけでなくて、どういう経験があるかという実績も判断基準に入っているというところだと思っています。 |
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Mr.サイトウ:「ITスキル標準」の存在によって、何が変わってくるのでしょうか。 |
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大石雄氏:いろいろな可能性があるわけですけれども、例えば、いままでは各企業によってIT人材の能力を評価する方法を独自に作るしかありませんでしたので、会社によってその基準はバラバラだったわけです。しかし、各社が「ITスキル標準」に合わせることによって、業界共通のものさしのようなものができたと考えることができます。ですから、例えば、ITSSを取り入れているAという企業でエンジニアのレベルを測れば、それは将来転職などしたときに、ITSSを取り入れているBという企業に行っても、Cという企業に行っても同じ基準で測ることができるようになるわけです。 |
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Mr.サイトウ:なるほど。 |
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大石雄氏:あと、もう1つ挙げられるのは、最近は一社だけではなく、いくつもの会社のエンジニアが集まって複合プロジェクトを実施するということが多くなっているのですけれども、そのようなときに、企業によって実力差というものがありすぎ、問題が発生することがあります。しかし、この「ITスキル標準」で測ることによって大体同じぐらいのレベルのメンバを集めることができるようになりました。 |
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Mr.サイトウ:まず「スキルの標準化」ということがあるわけですね。 |
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大石雄氏:そうですね。 |
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「これならできる! ITSS導入・運用ガイド Ver.2対応」(ラトルズ) |
Mr.サイトウ:また、大石様は先日「これならできる! ITSS導入・運用ガイド Ver.2対応」を上梓されたわけですが、この本を書かれた動機やどこに注力されたか、また特長などをお聞かせいただけますか。 |
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大石雄氏:そもそも私が「ITスキル標準」について相談を受けるようになっていくつか感じるところがありまして、その中で一番思ったのが、どの企業様もほとんど同じ質問をしてくるということでした。それは、「ITスキル標準の考え方がよく分からない」というものでした。そこで、毎回説明するのが大変なので、いっそのことITSSの考え方を本にしてしまおうと思ったのがきっかけです。もう1つは、「ITスキル標準」を導入したものの、かたちだけの導入になってしまって形骸化してきてしまったと……。そういう声もよく聞かれますので、この本を通して、「どのようにすればうまくいくのか」というノウハウを知っていただければと思って書きました。 |
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Mr.サイトウ:形骸化……。それは私もよく聞く話ですね。 |
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大石雄氏:拙書の特長といたしましては、分かりやすく書いたということに加え、頭でっかちな「ITスキル標準」にならないよう"現場志向"で書きました。別の言い方をしますと、大企業の導入ケースに多いパターンは理想論を中心に理論が展開されており、エンジニアが何百も、時には千以上もある項目の1つ1つを自分で全部チェックし、能力を測る等ということが前提になっているのですけれども、世の中で仕事をしていきますと理想が理想としてそのままスムーズに動くということはほとんどありえないと思っています。そもそも、これって大変な作業じゃないですか?(笑) 私なんか数十問しかないアンケートでも、直感でカチカチとクリックしてしまうもので……、全項目の一つ一つを熟考してクリックしている時間なんて無いですから。で、どうすれば、一人ひとりの「ITスキル標準」のレベルを(理想論ではなく)"現実的なレベルとして測ることができるのか"という視点からこの本を書きました。非常に実用的な内容になっていると思います。 |
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Mr.サイトウ:反響はいかがですか。 |
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大石雄氏:「中小企業で導入可能かどうか」という相談だけでなく、大企業からも「(導入はしたものの)うまく動いていないようだけれども、うまく動かす方法を教えてください」という相談が増えました。主にそういう2つのパターンが多いですね。 |
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Mr.サイトウ:本書を読まれているのはどのような方々ですか。 |
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大石雄氏:人事や教育の方が多いようですけれども、経営者の方も読んでくださっているようです。 |
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