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【ビジネス貢献】の『責任性』がエントリ条件に
編集部:
「『ITスキル標準V1.1』の『達成度指標』では、『責任性』『複雑性』『サイズ』『タスク特性』が並列に並んでいる感がありました」
平山氏:
「そうかもしれません」
編集部:
「しかし、『ITスキル標準V2』の『達成度指標』の記載をよく読んでいると【ビジネス貢献】の『責任性』をまず満たしていないと、そのレベルには達していない――エントリできないということがうかがえるのですが、『責任性』がそのレベルへの最初の関門ということになるのでしょうか」
平山氏:
「そのような方向で考えていただくとよいと思います」
編集部:
「さらに、『責任性』をクリアした後でも、『複雑性』と『サイズ』、【プロフェッショナル貢献】で満たしていなければならない最低限の項目数というのがありますね。達成度指標に最低限の項目数を設けるということに関しては、かなり議論があったのですか」
平山氏:
「はい。かなり議論されました。ただし、『ITスキル標準V1.1』で『達成度指標』が非常に曖昧であるということを随分言われておりましたので、今回は思い切って項目数というものを設けさせていただきました」
編集部:
「【プロフェッショナル貢献】だけでなく、【ビジネス貢献】も大切なのですね。AND条件であるということがよく分かります。しかし、その中でも『責任性』の内容をまず満たさないと、レベルを徐々に下げてエントリせざるを得ないことになりますね」
平山氏:
「はい。前にも申しましたが、まず、『責任性』の内容を読んだ時点で『厳しくなっているなぁ』と感じられると思われる方も多いかもしれませんね(笑)」
編集部:
「やはり、チームの責任者としてリードしていく立場にあり、それを何回成功させているのかというのが重要なのですね。これはやはり『スキル熟達度よりも達成度指標が重視される』ということを物語っているのでしょうか」
『スキル熟達度』は必要条件ではあるが十分条件ではない
編集部:
「『ITスキル標準V1.1』では『達成度指標』が重要といわれつつも、やはり『スキル熟達度』のほうを重要視する方のほうが多い感がありました。しかし、『ITスキル標準V2』では『スキル熟達度よりも達成度指標が重視される』ということが明確に打ち出されたと感じています」
平山氏:
「そうです」いくら『スキル熟達度』が高くても、それが結果的に経験や実績=『達成度指標』につながらなければ」
編集部:
「いくら『スキル熟達度』が高くても、それが結果的に経験や実績=『達成度指標』につながらなければ意味がないということなのでしょうか」
平山氏:
「そうです。例えばこういうことです。極端な例ですが、野球にたとえると、150kmの速球を投げられるピッチャーがいたとします。でもコントロールがめちゃくちゃでストライクがとれるかどうかも分からない。ただし『150kmの速球を投げられるという"スキル"』は持っているのです。しかし、いかにそのようなスキルを持っていてもアウトが取れたり、試合に勝つことができたりしなければ意味はないでしょう」
編集部:
「なるほど。やはり、何らかのプロジェクトを、ある『責任性』を持って成功させなければ、いかに素晴らしいスキルを持っていてもあまり意味がないということですね」
平山氏:
「はい」
編集部:
「ということは、『スキル熟達度』は必要条件ではあるが十分条件ではない……。あくまで、経験や実績(=『達成度指標』)を達成するためのものであるということですね」
平山氏:
「はい。『ITスキル標準V1.1』では、ややそのあたりが不明確だったかもしれませんが……」
編集部:
「『ITスキル標準』では、『スキル熟達度よりも達成度指標が重視される』ということがよく分かりました。本日はお忙しい中、本当にありがとうございました」
平山氏:
「こちらこそ、ありがとうございました」
■平山利幸氏プロフィール
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)ITスキル標準センター 企画グループ主幹
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