eラーニングマガジンに関するお問合せ、ご質問等は下記までご連絡ください。
eラーニングマガジン編集部
elmag2@nextet.net
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)ITスキル標準センター 企画グループ主幹
平山 利幸(
プロフィール
)
2006年4月1日に「ITスキル標準V2」が発表されました。「ITスキル標準V2」は、IPA ITスキル標準センターと産学の有識者から構成される「ITスキル標準改訂委員会」が、わかりやすさと使いやすさを追求するという方針に基づき改訂したもので、2002年12月に公表されたITスキル標準のバージョンアップは、今回が初となります。「3年のときを経て、ITスキル標準はどのように変貌を遂げたのか」――そこで今回、ITスキル標準センター 平山利幸主幹に直撃インタビューを敢行いたしました。
編集部:
「平山様、お忙しい中、お時間いただきましてありがとうございます。本日は4/1に発表されたばかりのITスキル標準V2について、ユーザーサイドとしてお伺いしておきたいポイントといいますか、核心の考え方をお伺いしたいと思ってまいりました。どうぞよろしくお願いいたします」
平山氏:
「こちらこそよろしくお願いいたします」
平山利幸氏
【ビジネス貢献】と【プロフェッショナル貢献】はAND条件
編集部:
「『ITスキル標準V1.1』では『達成度指標』と『スキル熟達度』の関係がいまひとつはっきりしておらず、どちらかというと『達成度指標』のほうが大切だといわれてきましたが、明確ではなかったので『スキル熟達度』を重視する傾向も多数見受けられました」
平山氏:
「そうですね。やはり現場では、特定のスキルを持っておられる方は相応に評価されますね」
編集部:
「『ITスキル標準V2』では、『達成度指標』と『スキル熟達度』がキーワードとしてでてきます。そして、『達成度指標』は【ビジネス貢献】と【プロフェッショナル貢献】に大きく2分され、【ビジネス貢献】は、『責任性』を軸にして、これとビジネスやプロジェクトの難易性を示す『複雑性』と『サイズ』の大きさを重ね合わせて見る構造との考え方が示され、そして従来の『タスク特性』とよばれていたものは【プロフェッショナル貢献】となり、明確に定義されました」
平山氏:
「はい。【ビジネス貢献】と【プロフェッショナル貢献】というものを設けさせていただきました」
編集部:
「『ITスキル標準V2』の概要を読んでいくと【ビジネス貢献】と【プロフェッショナル貢献】はAND条件ということですが、その2つで、どちらがより大切という考え方はないのですか」
平山氏:
「AND条件として、どちらも同様に重視しています」
編集部:
「個人的に少し厳しくなったなと思うのが、【プロフェッショナル貢献】なのですが、特にレベル4に上がるには『技術の継承実績(コミュニティ活動や論文掲載など)』が1項目以上、そして『後進育成』が必須になりました。これは日本ではこれまでベテランが培ってきた暗黙知の部分を形式知にして、継承していく取組みが、大変重要になってきたということでしょうか」
平山氏:
「そのとおりです」
編集部:
「これではITエンジニアの方が正直に自己申告していくと、『達成度指標』では、レベル3どまりの方が多くなりそうですね」
平山氏:
「そうですね(笑)。例え【ビジネス貢献】の部分だけクリアしていても、【プロフェッショナル貢献】の項目が不足していればレベルアップの条件は満たされません。『達成度指標』がレベルのエントリ条件であることを明確にするために、『ITスキル標準V1.1』で『スキルフレームワーク』と読んでいた表を 『キャリアフレームワーク』と呼ぶように改訂しました。これは、『達成度指標』と『スキル熟達度』の意味の混同を防ぐためでもあります」
編集部:
「確かにこれまで『スキルフレームワーク』というと、『達成度指標』が定義されているにもかかわらず『スキル熟達度』を問われていると思ってしまう方が大勢いらっしゃいました。これで大変分かりやすくなりましたね」
↑TOP
Copyright©2006 Next Education Think.All Rights Reserved.
掲載の文章・画像の無断使用・無断転載を禁止します。
特集1:小誌編集長 Mr.サイトウが直撃インタビュー!独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) ITスキル標準センター 平山利幸主幹に聞くITスキル標準V2の核心ポイント
(2)
特集2:人材開発担当者のためのインストラクショナルデザイン 効果測定を有効なものにするために
特集3:eラーニングコース紹介 英語コミュニケーション能力をIRTで効率的に測定 株式会社教育測定研究所
特集4:現場の事例で学ぶマネジメント連載 ヒューマン・マネジメントのテクニック(19)