ただ、ここで次のような疑問が生じる。前編の「教育実施結果の活動報告」で述べたように、今回の調査では、HRD部門以外への積極的な報告活動が見られなかった。それにもかかわらず、「経営幹部」「参加者」からの評価がプログラム改善に大きく影響しているという現象は何を意味するのだろうか。特に、十分な結果報告(情報)がないまま経営幹部は、何を根拠にプログラム変更を指示し、何を根拠にHRD部門は指示を受け入れ、修正を加えているのだろうか。
教育効果の有無、社内手続きや基準に則り、合理的な変更が行なわれるのではなく、組織のパワーバランスによって修正がなされている実態が表れたといえそうだ。
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