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終身雇用という言葉があたり前だった頃は、せっかく就職した会社を辞めれば大変なことになる。家族もこぞって反対するということがあったから辞めなかったまでで、必ずしも本人が是が非でもこの会社に一生骨を埋めることを本懐としたからではないといえる。
いまは辞めたほうがいいことがあるのではないかと思われる時代だ。若くして独立し成功した人も多い。20歳代で年収が何千万円という人もいる。
誰もがむしろ外の世界にこそチャンスがあると思ってもおかしくはない。そう思うのを責めるわけにもいかない。現実にそれは事実だからである。
しかし、自分が辞めてそうした幸運を手に入れることができるかは別問題である。辞めて別の会社に就職して給料はもっと下がったという人もいよう。自分で事業を始めたのはいいが、来る日も来る日も働きづめで、資金繰りに追われ、こんなことになるのなら、サラリーマンをやめるのではなかったと後悔することも多い。これは辞めてみなければわからない。
会社をあっさり辞めるという風習が広まって10年ほどにしからならない。入社した人たちが3年で辞めてしまうという風潮が広がったのもごく最近のことだ。辞めていいことはないのだということがわかってくれば、辞めなくなってくることも考えられる。あまり大変、大変と騒がないことが大事なのではないか。 |
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採用にかなりの費用を使い、入社後わずか3年で辞められてしまったら、それまでにかかった費用1人約1,500万円が無駄になるという考えがある。考えればその通りだが、さほど将来性が期待できないのに、そのままずっと会社にとどまって給料を払いつづけたときの費用は莫大である。だめな人をクビにするというのはほとんど不可能である。辞めてくれてよかったという場合もなくはない。
問題は期待し、優秀な人材が流出することであろう。そうした人材を人事部は最初から評価しているのだろうか。採用した新卒社員は、誰もが初々しく、頼もしげに見える。しかし、やはり能力や性格などで差はある。採用時の面接や試験ですべてがわかるわけはない。日頃から、採用した人材の全員をどうしているか、人事部は見ていなければならない。 |
配属した先の管理職にすべてをまかせるというのは間違いだ。 |
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入社後3年間は、毎年の新入社員を集めてディスカッションをしたり、個人面談をすることで、将来性を評価すべきだと思う。たとえ優秀な人材であっても、会社には適切でないというケースもなくはない。特別な育成計画によって才能を伸ばせられることもあろう。 |
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