私が初めて「ジョハリの窓」について学んだのは、アメリカの大学院に留学していた頃です。 10 年以上も前になりますが、当時“ Group Dynamics ”というクラスを受講していました。
Dr. Kay Smith という心理学教授が教えていたクラスで、日本語だと「集団力学」になります。 Dr. Smith は、ファーストネームが Kay ですが実は男性で、初老の先生でしたが成長する過程でご自身のアイデンティティで幾分悩まれたと話しておられたことを記憶しています。
このクラスでは、集団の中での個人の行動の変化や心理について取り上げられ、クラスで使ったテキスト( Group Dynamics, Second Edition, Donelson R. Forsyth, Brooks/Cole Publishing Company, 1990 )の 15 章に“ Groups and Change ”という章立てがあり、その中で、「ジョハリの窓」が登場します。近年では日本でもこのフレームワークが知られるようになり、キャリアカウンセリングや社員の能力開発の一環で自己理解を深めるツールとして使われています。
「ジョハリの窓」の“ジョハリ”は人の名前で、 Joseph Luft と Harrington [“Harry”]Ingham のそれぞれのファーストネームの最初の部分を合わせて“ジョハリ”( Johari )と名づけられました。 1984 年、 Joseph Luft は自分の書籍( Group process: An introduction to group dynamics )にこのフレームワークを紹介したのです。