eラーニングマガジンに関するお問合せ、ご質問等は下記までご連絡ください。
eラーニングマガジン編集部
elmag2@nextet.net
NECパートナービジネス推進本部 グループマネージャー
山本 雅啓(
プロフィール
)
コミュニケーションの問題
Mr.サイトウ
:
山本様が考えている「コミュニケーションの問題」というのはありますか。
山本雅啓氏
:
そうですね。「聴く耳持たず」といいましょうか。そんなことを感じます。若い方々に顕著かもしれませんが、「おしゃべり」は上手だと思うのです。また、「自分の言いたいことを伝える」ということはある程度できるように思われますが、「相手が言っている事を聴けない」というように見えます。相手に合わせて言う、相手の質問の意図がどこにあるのか考える――そういう能力がないのだと思います。ただ、それは練習をしていないからだと思うのです。練習を重ねれば必ずできるようになると思います。核家族化する前の家庭は、三世代ぐらいの人間がいましたので、自然と「コミュニケーション」の力がついたのではという方もいらっしゃいます。私自身もそのとおりだと思っています。
Mr.サイトウ
:
そのコミュニケーションの問題と関わってくるのかもしれませんが、最近人材派遣や業務の協力会社で人材のスキルに由縁するミスマッチングが多く、さまざまな機会損失に繋がっていると各方面で聞いております。山本様はいかがお考えですか。
山本雅啓氏
:
はい。それは確かですね。背景にはコミュニケーションの問題のほか、雇用形態の変化があると思いますが。
派遣人材のスキル、品質が問われる時代
Mr.サイトウ
:
いったい何が原因なのでしょうか。
山本雅啓氏
:
そうですね。派遣社員の例でいうと、 ITSS などの各スキル標準に沿ったアセスメントで客観的に実務能力やスキル、コミュニケーション能力を測られていない気がします。勘で人材を送ってくるような派遣会社が多いですね。もしくは、自分のスキルを自己申告させて、主観的な評価を真に受けているのかもしれません。これは問題です。言葉は悪いかもしれませんが、派遣社員のスキルは、より客観的に証明してもらわないと困ります。それには、「 ITSS レベルチェッカー」など、業界標準に即したアセスメントツールであって、なおかつ「客観型」である必要があると思います。あとは、その方の仕事ぶりをよく知っている人 3 人ぐらいにヒアリングして「ああ、この人なら大丈夫だよ」といってもらえれば、ほぼミスマッチは防げるでしょう。
Mr.サイトウ
:
なるほど、派遣する側はある程度スキルというものを担保して保証していかなければならない時代に突入したということですね。それに、そのほうがフェアだと思います。評価もきちんとなされることでしょう。その上で効果的に人材を活用することになるのではないでしょうか。そうすることで、よりまじめなかたちのビジネスというものが加速されると思うのですね。
山本雅啓氏
:
そうですね。それに、 ITSS のようなスキル標準があって、それに基づいた「人を測るものさし」が参考資料としてあると随分違うなと思います。ああ、そういえば、いま手痛い失敗を思い出しました。新しい事業の立ち上げに、社内システムを使いこなせる人が欲しいといわれ、そのシステムが使えるというだけで採用したのですが、 3 ヶ月で辞めていただきました。何が駄目だったかというと、スキルはあったけれども、コミュニケーションとモチベーションが低かったのです。周りの人が何か頼みたいのだけれども、頼みづらい雰囲気を作ってしまったのです。特殊なシステムを使えるといっても周辺の業務もあるわけですから、それを疎かにしてもらっては、周りは困ってしまいます。専門職についていうと、専門のすごいスキルをお持ちの方がいらっしゃって、それは「採用したい」「欲しい」と、企業に入ってくると、一時的にはいいのですが、ほかの基礎的な力、特にコミュニケーション能力がどうしても必要になるんです。なので、やっぱりスキル診断は重要ですね。やる気は十分あっても特にコミュニケーションとマナーは、教育してもなかなかついてこないことが多いですね。事前に何らかのチェックをしていれば、それが分かったのだろうなと思います。本当にチェックをしないで来て頂いたので、今考えるとまずかったなと思いますね。コミュニケーションやモチベーションは今では可視化することができるツールが出てきましたので、これを活用したらといいと思います。
↑TOP
Copyright©2007 Next Education Think.All Rights Reserved.
掲載の文章・画像の無断使用・無断転載を禁止します。
特集1:NECパートナービジネス推進本部 グループマネージャー 山本雅啓氏が熱く語る「人材育成こそ新たな価値を創出する」【後編】
(2)
特集2:日本のITビジネスはここから始まる! ITSS総合情報サイト「ITSS NOW!」
特集3:eラーニングコース紹介 現場に即効! 実務で使えるシステム運用管理のITIL最強バイブル!翔泳社 学習教材「ITILファンデーション試験対策講座」
特集4:現場の事例で学ぶマネジメント連載 ヒューマン・マネジメントのテクニック(24)