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特集4:現場の事例で学ぶマネジメント連載 ヒューマン・マネジメントのテクニック(20)
[プロジェクトマネジメントの考え方]
(1) できる方法を考える。
(2) できる人間を探す。
(3) その人間に方針を徹底し、動機付けを行う。
(4) 問題の兆候ができるだけ速くマネージャに届くようにする。
(5) 問題は自ら判断し、処置する。
(6) 再発しないように見直す。

(2)できる人間を探す
 プロジェクトマネジメントで重要な2つ目の要素は「プロジェクトに必要な人材を探すことである。プロジェクトではさまざまな役割があるが、それぞれの役割を定義し、最適な人材を探さなければならない。

 一般に、システム開発プロジェクトでは、マネージャ自ら「集める」のではなく、会社から「あてがわれた」――つまり、そのプロジェクトをやるときにたまたま手が空いていた人材を使えと言われることがほとんどとの嘆きを聞くことも多い。

 それでも、できるだけ、人材の確保は上層部と折衝すべきである。プロジェクトの命はなんといっても「人材」である。人にこだわらないマネージャは、二流である。必ずどこかで失敗するものだ。だから、「人」にはこだわるべきだ。
 
 ●全員スーパーマンはいらない。役割に応じた人材確保を!

 では、プロジェクトメンバーとしてどういう人材を集めるべきだろうか。

 30人必要としても、マルチな能力をもった人を30人集める必要はない。適材適所、与えたポジションに必要な能力が最低限あればいいのである。プログラムを高い品質で構築しなくてはならない人に「営業センス」は特に不要である(当然、あるに越したことはないが……)。

 一方、プロジェクトマネージャを補佐するプロジェクトスタッフには、まったく別の能力も求められる。当然、プログラムをうまく組む能力もあればよいのだが、それ以上に必要なのは「他人を導く」能力である。年長者でも、怖い人でも、上司でも、聞き分けのない部下でも、気にすることなく臆せず率いていく「根気強さ」、「交渉力」、「説得力」などを持っている人が必要になる。

 しかし、最初から完璧な人を集めることができない場合はどうするか……。当然、育成することが必要になる。これについては、次回に説明することにする。


■芦屋 広太(Asiya Kouta)氏プロフィール
芦屋広太氏 OFFICE ARON PLANNING代表。IT教育コンサルタント。SE、PM、システムアナリストとしてシステム開発を経験。優秀IT人材の思考・行動プロセスを心理学から説明した「ヒューマンスキル教育」をモデル化。日経コンピュータや書籍への発表、学生・社会人向けの講座・研修に活用している。著書に「SEのためのヒューマンスキル入門」(日経BP社)、「Dr芦屋のSE診断クリニック(翔泳社)」など。

サイト : http://www.a-ron.net/
ブログ : http://d.hatena.ne.jp/officearon/
連絡先 : clinic@a-ron.net

 
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