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編集部
:
岡本様のお人柄が偲ばれます。ところで「そったく塾」という名前は変わった名前ですね。どういう意味なのでしょうか。
岡本英二氏
:
禅に「
啄同機(そったくどうき)」という言葉があります。雛が生まれてくるとき、卵を内側からつつく音に合わせて、親鳥が卵を外側からつつきます。双方のタイミングがずれると卵の殻はうまく割れてくれません。双方のタイミングが絶妙に合致すると、この世に命が生まれるのです。つまり、「親と子」「上司と部下」などの関係を、親鳥と雛鳥のような関係と捉え、その時々にあった支援や援助をタイミングよく提供することにより、気づきが生まれ、成長、発展していってくれればという思いを込めて「そったく塾」と命名しました。
編集部
:
素晴らしいですね。ところで、「そったく塾」では「EAP(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)」というものを実施されているそうですが、一体どういうものなのでしょうか。
岡本英二氏
:
EAPとは、従業員とその家族を対象とし、心のケアを中心に支援し、企業のトータルな生産性を向上させるプログラムです。カウンセラーや産業医などがその任に当たっています。 また、カウンセラー1人では解決できない問題は、医者や保健所、社会保険労務士、税理士、弁護士などと連携して、問題解決に努めます。例えば、借金問題などは、弁護士など専門知識を持ったプロフェッショナルと組んだ上でサポートし、問題解決を支援していきます。
編集部
:
従来の企業でのカウンセリングや支援制度とはどう違うのですか。
岡本英二氏
:
例えば、最近急増している「うつ病」を例にあげると、「うつ病になってからカウンセリングを受ける」のではなく、「うつ病にならないために、カウンセリングを受ける」のです。従業員が心地よく働いていると、企業の成長や収益性にも繋がっていくことがアメリカでは実証されています。従業員がこのような病気で仕事を休んだりすると、仕事の質や量が落ち、生産性がみるみる低下します。そこから問題を解決しようとするのでは遅すぎるのです。最悪の場合、信用や機会損失に繋がったりして、企業全体として膨大な損害が発生することもあり得るでしょう。
編集部
:
なるほど。EAPでは「予防」というのが最大の特長なのですね。
岡本英二氏
:
そうです。実際に体調不良やうつ病になられた方などを対象に損失計算をすると、どのくらい大きな損失になっているか驚かれることでしょう。その数字を見れば「予防」の費用ぐらい簡単に出せるはずです。アメリカではEAPというものが、常識的に取り入れられています。現にアメリカではEAPを採用したほうが、生産性の向上に繋がることが既に実証されています。EAP導入に必要なお金は、「経費」ではなく「投資」の感覚です。EAPは何より生産性を向上させるものと認識されています。
編集部
:
「経費」ではなく「投資」――経営者の考え方の変革が求められますね。実際に企業で導入する場合に難しいところをお教えください。
岡本英二氏
:
そうですね。例えば日本では、「カウンセリングに行く」などと言うと、「うつ病」「心の弱い人」「ダメ社員」という目で見られがちです。アメリカでは、「肥満=自己管理できない人」と同じように、「カウンセリングを受けない人=自己管理ができない人」というふうに評価されます。しかし、EAPがアメリカで成功しているからといって、そのまま真似をすれば成功するというものでありません。私が行っているEAPは、日本人のカウンセリングへの偏見をなくすため、社長や役員も含めて全員カウンセリングを行っていただきます。そうでないと上司が部下に「カウンセリングを受けに行って来なさい」なんていえないでしょう。
編集部
:
そうですね。企業が従業員の心のケアを通して「予防的に支援する」という考え方は素晴らしいですね。次回はEAPの事例を具体的に教えていただきたいと思います。
次回につづく
■岡本 英二氏プロフィール
昭和37生まれ。ビジネスカウンセリング協会(BCA)会長、そったく塾代表。歯科医院、不動産会社、保険会社、流通、開発、通信、コンサルタントなどさまざまな仕事を経てプロカウンセラーになる。幅広く豊富な経験を生かし、「カウンセリング」と「体験ワーク」を上手く取り入れた企業研修が好評。日本企業に合った従業員支援を提唱し、総合的な生産性の向上をサポートする。経営者や社員の心の病を治すだけでなく、予防医学の見地に立ったリスクマネジメント的な効果を狙った研修も注目を浴びている。とくにIT業界やセールス、接客、サービスや現場でのコミュニケーションを必要とする業種での人気が高い。同時にビジネスカウンセリング協会を通し、さまざまな癒しを企業に提供している。また、主婦などを中心とした女性向、個人向けセミナーも積極的に行っている。【研修実績】松山大学/高知大学/ダイキ株式会社/JPSA(日本パーソナルコンピューターソフトウェア協会)/株式会社クイック/ニスコム株式会社/東京応化工業株式会社/マイウェイ技研株式会社/日興コーディアル証券株式会社/久光製薬株式会社/テプコワーク&キャリアスクール/その他
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