「これからの雇用・これからの組織」

株式会社パソナ 代表取締役グループ兼社長　南部 靖之氏

基調講演の第二部として、株式会社パソナ 代表取締役グループ兼社長　南部 靖之氏より「これからの雇用・これからの組織」と題して人材育成に関するお話しがありました。バブル崩壊後急速に進んだ雇用の流動化と個人の就業意識の多様化、フリーター、ニートなどの若年層に特有の問題や、2007年の団塊世代大量退職などの問題を背景に、これからの雇用と企業組織のあり方を探り、これからの人材に求められるものは未知のものにも恐れずに挑戦し続けるチャレンジ精神を育てることにあることを、自身の学生時代の思い出と絡められながら語られました。なお、現在、パソナグループは農業へも力を入れており、さまざまな専門家の力を得ながら太陽の光が届かない地下室で黄金色に輝く稲穂を栽培していることをあげられ、チャレンジし続けることの大切さ、その重要性に経営者が気づくことが人材育成につながる旨を語られました。

2006年は人材育成を真剣に考える年

『ITSS Users' Conference 2006』の基調講演のキーワードは「人材育成」。それも、相当の危機感をいだいたものであり、真剣にとりかからなければならないとの意識を抱かせる内容だったというのが率直な感想です。中国を代表とするアジアのIT産業の台頭を例にあげるまでもありませんが、まず経営者自身が、せまりくる危機にいち早く気づき、「人がすべて」と呼ばれるIT産業の意味を真剣に噛み締め、人材育成に本気で取り組まなければ日本のIT産業は厳しい時代を迎えることになるのではないかということを感じさせる講演でした。 　次回は、『ITSS Users' Conference 2006』最新レポート〜セミナー編〜をお送りします。