Q.
そうした活動の核となるESSSについて、具体的に説明いただけますか。 |
A.
ESSS自体はブラウザでアクセス可能なもので、標準化・具体化した定義を登録会員が自由に参照、チェックができるようになります。ITSSセンターと協議会双方での共同運用になる予定です。当然国の予算もつく予定になっています。登録された定義はITSSのフレームワークに沿って客観的なレベルを伴った形で表示され、個人スキルの評価分析、全体での検索や比較が簡単に行えるようになっています。
また、会員が企業単位でASPとして活用できるようなサービスも考えています。
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Q.
国内で一律の、半普遍的な基準によるIT人材データ・バンクが出来上がると言ったところでしょうか。しかし人材を採用する会社の評価基準としては、実務レベルの他に人間性が重要であったり、スキルを活用して仕事を効率的・戦略的に遂行するプロジェクト・マネジメント能力が重要視される場合が多いです。そうした評価基準はITSSに含まれることはないのでしょうか? |
A.
ITSSではあくまで技術によるスキルレベルの基準をメインにマッピングしますが、遂行能力やマネジメント能力も上位レベルには定義されます。プロジェクトの特性としてはメンバ個人の性格も重要な考慮点ですが、現在の仕組みには入っていません。しかしそうした部分も評価測定する仕組みがあれば、さらに正確なものを目指すことができると思います。とにかくITSSが実際に高度IT人材育成に貢献する為には、IT系企業や教育研修企業、ユーザ企業などに幅広く協力してもらうことが必要です。これから発足する「ITSSユーザ協議会」への参加協力を広く呼びかけたいと思います。
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高橋氏はこの「ITSSユーザ協議会」の準備活動に、利益度外視で取り組んでいます。
ITSSが実態を伴って定着し、国家レベルでの高度人材育成に貢献するまでには多くの課題がありますが、現場の視点でそれら課題に取り組み、標準化を推進・活用してゆくための具体的な作戦のいくつかが、今まさに実行されようとしています。
日本のITレベル向上に貢献する団体の今後の活動に要注目です。
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