至れり尽くせり、といった感のeラーニングだが、デメリットや問題点は無いのだろうか。
(1)よく指摘されることとしては、eラーニングが、高度な技能を修得するカリキュラムや実習には不向きであるという点があげられる。高度なカリキュラムは受講対象者が少ないため、開発費を考えるとどうしても1名あたりの受講料が高くなってしまうし、たとえば自動車運転のような実習を、インターネットを介して学習するのにはまだ不向きである。
(2)現状での問題点として、eラーニングのシステム導入コストがある。これまでeラーニングをするには、自社でサーバーを立てて、システム管理者の管理の下で運用する必要性があり、そのための導入コストは数百万から1千万以上にもなった。
(3)また、システム上に載せるeラーニングコースウェアの絶対数の不足などもあげられる。
(4)さらには、昨今のeラーニングブームの中で、多種多様のeラーニングの情報が氾濫し、一般のユーザーには情報の選別が難しいという問題もある。
しかしこうした問題は、徐々に解決の方向に向かっているようだ。
まず、(1)高度なカリキュラムや実習の問題に関しては、ブレンディングと呼ばれる手法によって解決できる。ブレンディングは、集合研修とeラーニングを組み合わせる形態のことで、たとえば、事前にeラーニングで知識部分を学習し、集合研修での実習に備えるといったことが可能になる。こうした手法はひろく研究が進んでおり、取り入れるeラーニング企業も増えてきている。
(2)システムに関していえば、ASP(=Application Service Provider)型のeラーニングコースの普及がある。ASPは、いわばeラーニングのレンタル。1名単位で受講でき、単価も低く抑えられるだけでなく、自社でシステムを購入する必要がなく、インターネットが見られる環境さえあれば導入可能だ。
(3)また、コースウェアの不足に対しては、出版社、新しいコンテンツベンダーの参入と
eラーニングコースのリセールを行うプロバイダーの登場や、コースを低コストに作成するツールの登場などで、自社内で制作できるようになってくれば、解決に向かいそうだ。
(4)情報の氾濫に関して言えば、日経新聞社の「eラーニングソリューションネット」や、「eラーニングマガジン」のようなeラーニングポータル的な情報サイトの出現によって、集約されていくであろう。eラーニングの導入がまだという企業は、そろそろ検討を始めてみてはいかがだろうか。
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