以下、マトリックスに沿って具体的に説明する。
エリア(1)
エリア(1)は自分の支配下にある人材で動機付けが十分されている人材のマネジメントである。このエリアの人材はマネージャとして最も使いやすいメンバーと言える。動機が高い部下であれば、マネージャの裁量でメンバーに行動のインセンティブを与え続けることが可能だからだ。例えば、人事考課を重視する部下であれば、うまくいったら評価を上げてやると約束し、成功したら評価してやり、失敗したらなにが問題だったかを教え、改善してやることが必要だ。ここで大事なのは、評価を欲しがるメンバーには、必ず何らかの評価ポイントを与えること。成功したのにあまり評価してやらないとメンバーは「裏切られた」という感覚が強くなって反発する。特に、自分に自信を持っている人材は評価に敏感だ。これを強く意識しないと、うまくマネジメントできないので注意してほしい。
また、評価にはあまり興味がなく、新しい知識や面白い経験、スキルの習得が行動のインセンティブになる場合もある。このようなメンバーに評価をちらつかせても、言うことを聞かないことが多い。この場合は、新しい技術部分を担当として与えたり、知識水準が高いことを褒めてやったり、社外人脈を紹介してやるようなことがインセンティブになる。あくまで、行動のインセンティブは人によって違うことを理解し、メンバーとコミュニケーションを深め、彼らが何を一番重視するかを探る必要があるだろう。
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