課題 − 学びたいこと
1. 人材開発におけるPDCAプロセス確立と測定技術の定着
日本では、まだまだ測定自体の定着やデータの蓄積がなされている企業が少数ですが、組織パフォーマンスへのインパクトを明確にし、経営戦略の一環としての組織的な学習を進めるためには、研修の効果測定の基礎を定着させることが重要と考えられます。
2. 研修からの脱却:パフォーマンスサポート、パフォーマンス改善のアプローチ
「研修」だけが人材パフォーマンスをサポートするための方策ではないことを理解するための学習や、人材開発担当者の専門性が求められるでしょう。組織としてのパフォーマンスを向上させるための人材開発部門としてトータルソリューションの方法を、Human Performance
Improvementなどのアプローチに学ぶ必要があるのではないでしょうか。研修のデザインの整合性を設計するためのインストラクショナル
デザインを基盤として、経営戦略と組織の各個人のパフォーマンスの整合性をデザインするためのアプローチへのシフトが必要と思われます。
3. テクノロジーの活用
人材開発のe-ラーニングだけではなく、パフォーマンスサポートの側面からのテクノロジーの活用と運用の仕方をよりいっそう学び、組織へ浸透させていく「組織イノベーション」の核となる情報、機能の提供がよりいっそう求められると思われます。
まさに2005年の日本での人材開発、育成のキーワードは、“Linking Learning
and Performance”と言えるのではないでしょうか。
2004年12月20日
株式会社インストラクショナル デザイン 中原 孝子
※1. ASTD(American Society for
Training and Development:全米人材開発機構)
http://www.astd.org/
1944年に設立されたHRDのプロによって構成される非営利団体。
米国ヴァージニア州アレクサンドリアに本部を置き、世界100カ国以上の国々で会員が各種大会や会議の開催、調査研究、出版などで活動しており、職場の学習とパフォーマンスに関する最新の情報を提供し続けている。
中原 孝子氏 プロフィール |
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中原 孝子(なかはら こうこ)
国立岩手大学卒業後、米コーネル大学大学院にて、教育の経済効果、国際コミュニケーション学等を学ぶ。
その後、慶應義塾大学環境情報学部武藤研究室訪問研究員として、インターネットを利用したデータマインニングやe-ラーニングなどの研究に携わった。
職歴:米系製造販売会社、金融機関、IT企業にてトレーニングマネージャーとして活躍し、平成14年5月、株式会社インストラクショナルデザインを設立。
会員:ASTD会員、慶應義塾大学環境情報学部研究員 |
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