IT分野における総合人材サービスを展開するパソナテック（森本宏一社長）は、ITスキル標準（ITSS）に対応したパソナテック独自のスキル標準「パソナテック・スキルスタンダード（PTSS）」を開発し、今月から導入を始めた。

　スキル標準を導入活用していく企業に対し、ミスマッチの少ない人材サービスを提供し、ITSS導入コンサルティングやプロジェクト設計などに利用していく方針。

　IT業界の課題のひとつに、人材のスキルを評価する共通軸の欠如があげられる。このため、IT人材を採用する企業と、スキルを活かして働こうとするエンジニア双方にスキルの認識にズレが生じ、最適な人材配置を円滑に進めることができない原因のひとつとされている。ITSSは、この問題の解決策として経済産業省を中心に考案されたスキル標準で、IT関連業界における共通認識のベースになるものとして注目されている。

　今回、同社が開発した「PTSS」は、ITSSを中心に、英国のSFIA、米国のSWEBOKなど、世界の標準的なロール（役割）モデルといわれる指標の要素をベースに、同社独自のスキル策定ノウハウを反映させた新しいスキル指標。これまで使用してきた「職種」（プログラマ、システムエンジニアなど）という漠然とした定義から、新たに設定した「職域」という定義のなかにおける具体的な「役割」でスキルを判断する。

　すべての役割はフレームワークというマップのなかに位置づけられるため、エンジニアは自分自身の位置を把握することができ、企業側は自社のプロジェクトの人員構成をする際に、足りない役割を把握することができる。同社では、PTSSに基づくキャリアカウンセリングを通して、05年3月末までに3000人のPTSS認定者を育成していく方針。

パソナテック＝ http://www.pasonatech.co.jp/