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 現在、多くの企業において研修構築の新しい手法としてインストラクショナルデザインが注目されております。しかし、需要があるのに対してまだ「インストラクショナルデザイナー」が不足していると言われております。日本におけるインストラクショナルデザイン黎明期でもある現在において、インストラクショナルデザイナーに何が求められているのかを、富士ゼロックス総合教育研究所の深見研志氏にインタビューしました。
Q1:現在、インストラクショナルデザインについての話題が多くなっております。これほどまでインストラクショナルデザインが注目されるのはなぜでしょう。
深見氏
 一つには、eラーニングの浸透化に伴ってこれまで社内に蓄積されてきた膨大な教育コンテンツを、効果的にeラーニングに転換してみたいという実践的な取組み傾向が高まってきたということ。もう一つには、eラーニング学習におけるいくつかの課題である、学習意欲の持続、修了率、学習効果などの基本的な解決策はやはりコンテンツの設計段階から組み込んでおくべきコンテンツのクオリティーに起因する問題として着目されてきたからだと思います。
つまり、教え込む教育(teaching)と、進んで取り組む学習(learning)との違いの上に立った教授法に多くの解が潜んでいることが理解されてきたのではないかと思われます。

 例えば、クラスルーム教育は最もインターラクティブ性の高い学習メディアですし、学習者とファシリテイターとの場の共有を通じた相互のフィードバックから学習効果を高めるための対応が瞬時に可能です。一方、非同期で行われるeラーニングの場合には、ファシリテイターの役割をプログラムとして組み込んでおかなければなりません。 この効果をもたらすのが、インストラクショナルデザイン(教授法)ということになります。

 では、インストラクショナルデザインをどのレベルにまで高めておけば良いのかということになりますが、今年のASTDでも去年に続いてeラーニングコースウェアの認証基準のセッションがありました。ASTDからインストラクショナルデザインの認証基準を基に評価できる無料のセルフアセスメントツールが提供されていますので、一度、評価項目の確認と、制作されたコンテンツを実際にアセスメントしてみるのもよろしいのではないでしょうか。アセスメントツールは次のサイトからダウンロードできます。

 ECC Self-Assessor Toolのダウンロード:     http://www.astd.org/ecertification/self_assess.htm

 

Q2:弊社でもインストラクショナルデザインのワークショップやセミナーを開催しておりますが、回を重ねる毎に一般企業の研修担当者の受講比率が上がっております。出席者の方々の目的は「効果測定や学習効果の向上」にあるようです。コンテンツのID以外に、研修後の費用対効果をはかるものや高める方法としてはどのようなものがあげられますでしょうか。


  学習効果を測定したいという方は当社のお客様にも増えてきました。 ただし、最終的な投資効果(ROI)は、教育/学習を実施すればすぐに効果が上がるという場合ばかりではないと思います。 パトリックの学習効果モデルにおけるレベル4(ビジネスリザルト)に至るまでのプロセスの内、知識獲得のための研修コースの果たす割合は、一般的には、30-40%で、むしろ学習を終えた上で、実践できるスキルに定着させるために、現場で行われる実践的学習の果たす割合の方が60-70%と大きいといわれています。

 今後、より成果(ROI)に直結した投資、学習手段が求められる傾向はさらに高まっていくことでしょう。このため、スキル定着のための実践ツールとして、例えば活用ガイドブックや粗利シミュレーション、ノウハウ集など、当社でもこれまでに提供してきていますが、これからは第一線の営業やSEなどの現場を直接支援するパフォーマンスサポート(EPSS)の分野で、eラーニングの形態による導入がかなり進んで行くものと思います。

なお、効果測定に関する資料は弊社(FXLI)のwebサイトにもございますのでご参照いただければと思います。

富士ゼロックス総合教育研究所:http://www.fxli.co.jp/topix/opinion_no04_01.html


 

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