株式会社ネクストエデュケーションシンクは、経済産業省が策定した組込みスキル標準（ETSS）に準拠した国内初の客観型スキル診断「ETSSレベルチェッカー(TM)」を開発・発売しました。自動車や携帯電話など日本が国際競争力を持つ分野の開発に必要不可欠で、かつ人材が不足している組込みソフトウエアの技術スキル標準「ETSSスキル基準Ver.1.1」に準拠し、エントリーレベルからミドルレベルまでの人材の実務能力をWeb上で行う客観型テストによって精密な可視化を可能するものです（以降、バージョン部分は「ETSS」を構成する各ドキュメントの最新のバージョンを記載しています＜2007年1月10日現在＞）。今回はこの客観型スキル診断ツールについてご紹介いたします。

組込みスキル標準とは

組込みスキル標準（以下、ETSS）は、経済産業省が策定したスキル標準の１つです。ほかに、ITスキル標準（ITSS）や情報システムユーザースキル標準（UISS）などがあります。「組込み」というと聞きなれないかもしれませんが、携帯電話や家電、ゲーム機や自動車など、我々の生活の身近なところで活躍しているものに組み込まれているチップ、そしてその中のプログラムなどをいいます。「ETSSレベルチェッカー(TM)」は、このような製品をつくっている人材、いわゆる組込み技術者の実務能力を精度高く簡単に測ることのできる客観型スキル診断ツールです。

「ETSSレベルチェッカー(TM)」の最大の特長

「ETSSレベルチェッカー(TM)」の最大の特長は、「ETSSスキル基準Ver.1.1」の「スキル基準フレームワーク」と「ETSSキャリア基準Ver1.0」の「スキル領域」および「スキル分布特性」、そして「パーソナルスキル」と「ビジネススキル」に準拠している点です。問題は「スキル基準フレームワーク」の第一階層および第二階層の全スキルに準拠して、多数の問題からランダムに出題することにより、短時間で精度高く人材の実務能力を簡単に測ることができるように工夫して開発しました。また、エントリーレベルからミドルレベルの実務能力を精緻に測るため、「ETSSスキル基準Ver.1.1」が定義するスキルレベル――「レベル１：支援のもとに作業を遂行できる」「レベル２：自律的に作業を遂行できる」、および「ETSSキャリア基準Ver1.0」が定義するキャリアレベル――「レベル１〜２（エントリーレベル）：当該職種の上位レベルの指導の下で、業務上における課題の発見・解決を行うことができるレベル。」「レベル３〜４（ミドルレベル）：業務上の課題の発見・解決をリードすることができるレベル。また、下位レベルの育成に積極的に貢献することが求められる。」にも準拠しています。以上のことを踏まえ、エントリーレベルからミドルレベルの実務能力を客観型テストによって精密にスキルレベル判定が可能になりました。

「ETSSレベルチェッカー(TM)」の対象職種、専門分野

なお、今回発売する「ETSSレベルチェッカー(TM)」の対象職種、専門分野は以下の通りです（以下の丸括弧は専門分野を示す）。 　・「ソフトウェアエンジニア」（組込みプラットフォーム） 　・「ソフトウェアエンジニア」（組込みアプリケーション） 　・「テストエンジニア」（組込みシステム開発）

「ETSS　V1 キャリアフレームワーク」の提案するキャリアパスにおいて、入口と解釈される「ソフトウェアエンジニア」職種２分野と商品の品質を左右する「テストエンジニア」職種１分野を先行して開発しました。ほかの職種、専門分野の問題は順次開発予定です。

組込み技術者に熱い視線

現在、IT系技術者と比較して、組込み技術者に熱い視線が注がれ始めています。それは、ユビキタス時代の到来において、情報へアクセスするためのターミナル端末開発に組込み技術者が必要だからだとも言われています。しかし、IT業界同様、慢性的な人手不足であり、２０万人中約半数の１０万人が足りないとも言われています。一方、手先の器用な日本人の特性として、組込み業界は日本が国際競争力を持つ分野と考えられます。しかし、ユビキタスの実現には、IT系技術者と組込み技術者相互の協力が必要です。加速度を増すグローバル競争において、日本の強みをさらに強くするツールの1つとして、「ETSSレベルチェッカー(TM)」が活用される場面は少なからず大きいものといえるでしょう。

「ETSSレベルチェッカー(TM)」に関するお問い合わせはこちら 株式会社ネクストエデュケーションシンク　ソリューション営業部 TEL：03-5842-5148　MAIL：info@nextet.net