NECは全世界の従業員に対し、eラーニングを活用してCSR（Corporate SocialResponsibility：企業の社会的責任）などの教育を実施する。10月より、ヨーロッパから順次展開して計12万4000人ほどが受講する予定。

　内容は、すでに国内の社員向けに実施したプログラムを基にして、それぞれ各国の法律や商習慣を踏まえた内容に改訂したものを使用する。

　このCSR教育の背景には、NECがグローバルに事業展開するなかで、一拠点の情報漏えいなどの不祥事が顧客の離反につながりかねないとの懸念があり、社員教育を世界規模で実施・強化することになった。大量の個人情報を扱うシステム事業での機密保持や、環境対策、人権問題などが中心となる。

　NECは昨年から、海外子会社のCSR担当者を各拠点ごとに集め、CSR関連の事例研究などの勉強会を実施していた。CSRのレベル向上には一般従業員の啓発も必要と判断して、eラーニングを大々的に活用した教育を実施していく。

　教育をグローバルに展開しようとしたときに、時間的、空間的制約を越えるeラーニングが最適なメディアとして活用される好例といえる。

参考文献［2005年9月19日 日本経済新聞 朝刊］