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特集2:あなたが変える!”仕事”の意識を変革する連載 会社を動かすコンサルタント思考術(4)
 では、どのようなマインド、つまり「気持ち」や「思考方法」が「ビジョンの高品質化」を産み出し、成功の仕組みを築きあげるのでしょう。そのようなマインドをここでは「マーケティングマインド」と定義したいと思います。フィリップ・コトラーは、「マーケティングとは、顧客ニーズを満たす価値の創造・伝達・提供による顧客の獲得・育成・維持」と解説しています。つまり、多くの顧客を獲得・維持するためには、お客様が喜ぶことを考え・提供しなさいと言っているのです。では、「マーケティングマインド」とはどのような気持ちを言うのでしょう。それは一言でいえば、「人を感動させ、喜ばせたいという気持ち」です。別の言い方をすれば、「人々を物質的・精神的に満たし、幸福にしたい気持ち」とも言えます。

 実際、マーケティングマインドは、社会の、企業の、組織の、そして人々の原点となる考え方です。全ての人々は幸福になりたいと考えています。マーケティングマインドを持つことで、人々の幸福を願うようになり、人々の幸福とは何かを考え、幸福をもたらすために行動し、結果人々を感動させ、感謝される――そして物質的・精神的なフィードバックがあなたにもたらされるのです。あなた自身が、企業が、社会がマーケティングマインドを持って行動することで、世の中の一層の成長と幸福が実現すると言えます。あなたがマーケティングマインドを強化すればするほど、あなた自身のビジョン、そしてビジョン実現のための行動が「高品質化」され、顧客・社会を発展・幸福へと導きます。企業が、そしてあなた自身が存在意義を高め、成長と繁栄を実現するために最も重要なことは、「マーケティングマインドの養成」なのです。
 
 企業はマーケティングマインドを全社員に養成することを真剣に考える必要があります。あなた自身はマーケティングマインドを考え方の中心に据えて行動する必要があります。マーケティングマインドを理解することは簡単ですが、実践することは一生の課題となるでしょう。しかしながら、「マーケティングマインドをベースにしたビジョンの創造と実践」を行わない限り、企業もあなた自身も大きな成長は有り得ないのです。一日も早くこの事実に気づくことが重要です。また、マーケティングマインド養成のヒントは、自分自身の中にある「人を喜ばせたい」という気持ちを大切にすることです。

 以下に、あなた自身もマーケティングマインドの重要性を認識できるよう、思考の流れをまとめてみました。ぜひ実際に身の回りの事例を分析してみることで、マーケティングマインドについて考えてみてください。


【思考の流れ】

(1)情報収集
身近な事例における
ビジョンと行動およびその成果の因果関係についての情報を収集

(2)整理・分析
事例分析による「成功のメカニズム」について整理
成功の本質の追求による「マーケティングマインド」の重要性の発見・理解

(3)統合・解決策の導出
マーケティングマインドをベースにした
ビジョン創造→戦略策定→実現能力洗出し→リソース獲得プランの作成

(4)プレゼンテーション
マーケティングマインドを中心に据えたビジョン実現のための実践活動の推進



■小泉 雅史(Masafumi Koizumi)氏プロフィール
小泉雅史氏 カリフォルニア大学アーバイン校 経営大学院卒業(MBA)
ブランドハンドバッグメーカーにおける商品開発・営業を経て、日本IBMに入社。ビジネスイノベーションサービス(現 IBM ビジネスコンサルティング サービス)戦略グループに在籍し、大手企業を中心としたさまざまな戦略・業務・システム関連のコンサルティングに従事。
その後、大手化粧品メーカー経営戦略室にて全社成長戦略の策定等を手がけ、 現在は、ベンチャー企業の取締役及び経営コンサルタントとして活躍中。

 
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