総務省は18日、携帯電話を利用したeラーニングの共通仕様を06年度までに開発することを目指し、携帯電話事業者や端末機器メーカー、コンテンツ事業者らと実証実験を始めることを明らかにした。誰もが時間や場所を選ばず、効果的に学習できる環境を実現する狙い。05、06年度に関連経費計3億円の予算を確保したい考えで、05年度予算概算要求に盛り込む。
携帯端末でのeラーニングは、これまで通信事業者ごとにシステムが異なり、機種別にみても様式がバラバラだったため教材などのコンテンツ製作費が割高になり、サービスは普及していなかった。
総務省は関連事業者に呼び掛けて協議会を設置し、共通仕様の実現に向け官民一体で技術開発に乗り出す。実現すれば、語学の反復練習などのための大量の画像、テキスト、音声などを一定時間内に効率的に送れるようになり、通勤・通学時間を利用した語学学習や資格取得講座などのサービスが容易に提供できる。
また、パソコンをはじめ異なるネットワーク端末とデータを連携させることができることを目指す。実現すれば、例えば学校や職場のパソコンで使っていたeラーニング教材の続きを、帰宅途中や帰宅後に携帯電話で学習できるようにする。
同省情報通信利用促進課は「今後、第3世代携帯電話やデータ通信定額制が普及することで、eラーニングの需要はさらに拡大する」とみており、ゲームや着メロなど娯楽サービスを中心に携帯電話の多機能化が進む中、遅れていた教育分野の活用を促進したい考えだ。