■ eラーニングの普及ということでSCORM等の規格が業界内で注目されていますがこのことについてはいかがでしょうか。
コンテンツの流通の促進という意味では、このような規格が普及するのは、非常に重要なことだと思います。
しかし、この規格に過大な期待をかけることはeラーニングの発展に妨げる可能性があると考えています。規格はあくまでもLMSの最大公約数的な意味であり、規格内の機能だけでは、様々な学習効果の向上や管理機能などの強化が図れず、かえって縛りになっていることもあるのが現状です。
最低限の互換性を保ちながら、いかに教育効果の高いコンテンツを開発していくか、あるいはLMS自体についても、教育効果を高めるための機能強化をいかに進めるかが、ポイントになると思います。また、これに伴って規格が拡大することも考えられます。
例えばビデオテープでVHS規格がありますが、さらに高画質のS-VHS規格ができ、最低限の互換性を保ったデジタル対応のD-VHS規格もあります。上位規格で録画されたコンテンツは下位のデッキでは再生できません。だからと言ってVHS規格のコンテンツだけで満足する人は多くはないでしょう。さらにメディアは違うが出力信号の規格だけが同じであるDVD規格も今後より普及していくでしょう。