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NET通信 《人材開発・教育戦略メールマガジン》 10月18日号 Vol.052
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 菊の香りゆかしく、皆様ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
  今回は、芦屋広太氏の“人を動かす言葉”からお届けします。
  また、柴原健次氏の“活かされてこそ価値ある人材育成”、君島浩氏の“君
爺の新教育学談義”など好評連載と、小誌編集長によるMr.サイトウ プレゼン
ツ「ITスキル標準とヒューマンスキル どっちが大事?」をお届けいたします。

─[ INDEX ]─────────────────────────────

[1] 【連載】芦屋広太の“人を動かす言葉”(27)

[2] 残席わずか!
採用で失敗した経験をお持ちの経営者、人事ご担当者の皆様へ
ネクストエデュケーションシンク主催 第二回人財戦略無料セミナーのご案内

[3] 【連載】活かされてこそ価値ある人材育成
        第6回 センスを磨く、センスを引き出す

[4] 【連載】君爺の新教育学談義(14)

[5] 【連載】Mr.サイトウ プレゼンツ
    「ITスキル標準とヒューマンスキル どっちが大事?」(第三回)
     〜 今求められる人材とは 〜

[6] <月間>eラーニングマガジン第43号のお知らせ

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[1]【連載】芦屋広太の“人を動かす言葉”(27)
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「簡単に"できない"と口に出すのは止めてくれないか。お前の頭に答えがない
なら、他所から答えを探してくれよ……。いいか、俺はお前の乏しい知識なん
か当てにしてないよ。お前が駆け回って知恵を探してくることに期待してるん
だ」

●"常識を超える解決策"を見つけるために

 私は日頃から多くの情報を収集するようにしています。新聞、雑誌、書籍を
読み、人と話をして情報を得る。とにかく、多くの情報を集めることを好みま
す。

 しかし、いくら多くの情報を集めたいと思っても限界がある。膨大な情報を
全て収集することなど不可能です。それでも、「世の中には多くの知恵がある
のに、自分はそのほとんどを知らない」という思いがある。だから、何とか少
しでも多くの情報を収集しようと努力しています。

 なぜ、自分の知らない知恵を探し続ける必要があるのか。それは"常識を超
える解決策"を見つけたいから。

 人間は誰にも"自分の常識"がある。乏しい過去の成功・失敗経験から平凡な"
答え"を導いてしまう恐れがある。そして、過去の経験が蓄積してできた"常識"
の想定外であれば、「解決できない」という"答え"を出してしまうことも多い
のです。

 でも、自分の常識の範囲内で考えて"解決できない"と思い込むのと、その問
題が本当に解決できないかはまったく別の話。ほかの人なら解決できるかも知
れないし、どこかに知恵があり、それが解決を促すかも知れない。私はこのよ
うに考えています。

 だから私は活字を読み、他人の話を素直に聞くことを肝に銘じています。自
分の経験・知識では限界がある。これを自覚していれば、自分の常識の範囲内
で平凡な答えを出すことを避けられると考えているのです。

 冒頭の言葉の意味が分かっていただけたでしょうか。非常に辛辣な表現です
が、私はこの言葉の中に問題解決能力を高める本質的行動パターンが埋め込ま
れていると考えています。

 実はこの言葉は、私がある企業で新規事業企画の仕事に移った直後に上司の
加藤(仮名)に言われたものでした。当時私は30代前半の中堅社員であり、業
務遂行能力、経験、知識においてもそれなりのものを持っているという自負が
ありました。

 しかし、新しい仕事はそれまでとは全く違う次元の話でした。他社との提携
や会社設立、株式発行など、高度な専門知識が必要でしたが、会社のほとんど
の人間がこのような経験を持っていないという新しい試み。まさに常識の範囲
外だったのです。

 私には全てが不可能に思えました。そして、「このままやっても失敗するか
ら、別のことを考えましょう」と加藤に進言したのです。加藤は冷静でしたが、
辛辣に冒頭の言葉を発しました。その瞬間、私のプライドは砕けました。

――"常識を超える解決策"見つけるために

 この行動を促す言葉。これを知った瞬間だったのです。

※バックナンバーは芦屋氏のブログ「ヒューマンな日記」にて他のコンテンツ
とともにお読みいただけます。

 http://d.hatena.ne.jp/officearon/

********* 【筆者プロフィール】 **********
芦屋広太(Asiya Kouta)IT教育コンサルタント・システムアナリスト

優秀IT人材の思考・行動プロセスを心理学から説明した「ヒューマンスキル教
育」をモデル化。日経コンピュータや書籍への発表、学生・社会人向けの講座・
研修、企業向けコンサルティングに活用している。著書に「SEのためのヒュー
マンスキル入門」(日経BP社)、「Dr.芦屋のSE診断クリニック(翔泳社)」
など。

 サイト:http://www.a-ron.net
  メール:clinic@a-ron.net

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拝啓 

 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。また平素は格別のお引き
立てを賜り、厚くお礼申し上げます。

 さて、この度弊社では、

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最新ソリューションを初公開いたします。

 また、実演を交えてその的中精度、利便性をご体験いただき、実際の診断の
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 ご参加の皆様には特典として、弊社スキル診断の無料体験版をご用意いたし
ております。

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日時: 2005年11月1日(火) 13:20〜17:00(受付開始12:50)
会場: 後楽園会館 第一、第二会議室
対象: 企業の経営者、人事・採用・育成のご担当者
定員: 60名
参加費:無料

当セミナーに参加ご希望の方は下記URLよりお早めにお申込みください。なお、
残席がわずかとなっておりますのでこの機会をお見逃しなくお早めにお申し込
みください。一般の企業向けには初めての企画です。きっと貴社の採用戦略・
育成戦略でお役に立てるセミナーと存じます。

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 ご多忙中のところ誠に恐縮に存じますが、是非この機会にご来臨賜り、ご高覧
いただきたくご案内申し上げます。

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敬具

                            2005年9月吉日
                 株式会社ネクストエデュケーションシンク
                        代表取締役社長 斉藤 実

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[3]【連載】活かされてこそ価値ある人材育成
       第6回 センスを磨く、センスを引き出す
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 社員研修を、社員共通のリテラシー教育と、専門的なスペシャリティ教育お
よびマネジメント教育に分けて考えてみます。リテラシー教育は、どの職種で
も共通の必須知識を習得するものであり、社員全員がもれなく必要とするもの
なので、各個人の希望や、適性、才能などに関わらず、強制力をもって提供す
ることが一般的です。しかし、スペシャリティ教育やマネジメント教育では、
それらが教育効果に大きく依存します。したがって、これらの教育は年齢や就
業年数に応じて画一的に提供しても、対象者すべてに高い効果が望めるわけで
はありません。

 受講者の受講に対するモチベーションが教育効果に影響することは言うまで
もありませんが、適性や才能はもっと大きく影響します。そもそも、まずは受
講者の受講希望がモチベーションになるわけですが、その希望の根源を考えて
みると、自分の適性や才能、さらにさまざまな資質や人格などを分析し把握し
ていることからきている場合が多いはずです。逆にそうでない場合は、その希
望はそれほど長く持ち続けられるものではなかったり、成就しにくいものであ
ると考えられます。つまるところ、教育は適性や才能に基づいて提供すること
が一番効果的であるというごく当たり前な結論が導かれます。

 才能や資質、人格というものは教育できるものではありません。適性も教育
によって変えられるものではありません。しかし、それらを見い出す、引き出
すということは可能です。これらは、人材育成というよりは能力開発と呼ぶ方
が適切かもしれませんが、人材育成はすべて能力開発という観点が含まれてい
るべきと考えます。たとえば、技術を身につける教育では、各個人の天性的な
能力に関わらず知識を習得することは可能でしょう。しかし、その知識を活用
するスキルがどの程度身につくかは、それぞれの人の天性的なセンスが大きく
影響するものです。つまり、技術教育は、知識習得だけではなくそれを活用す
るスキルを磨かなければ意味がないとすれば、センスを磨く能力開発が伴って
いるべきであると言えます。

 センスに関するトレーニングは2種類あります。一つはセンスを磨くこと、
もう一つはセンスを引き出すことです。自他ともに認めるセンスがあれば、そ
れを研ぎ澄ますことで活かされ、活きてきます。自分では気づいていないが、
他の人に見い出され、それが引き出されることで活かされ、活きるセンスもあ
るでしょう。

 人材育成は、センスを磨くこと、センスを引き出すことであるとも言えます。
さらに、極端な言い方をすれば、各個人の磨いたり引き出したりできない部分
については、センスのないものとして力を入れない方が効率的であり、その分
野にセンスのある人を育てる方がはるかに効率的です。これらは、酷な考え方
にも思えますが、現実的な例で考えるとわかりやすいでしょう。マネジャーや
講師育成がそうです。リーダーシップやマネジメントに関していくらトレーニ
ングしても適性として合わない人もいます。プレゼンテーションやインストラ
クションをいくら学び訓練しても、講師の才能をもった人に勝ることは簡単な
ことではありません。もちろん、磨いたり引き出したりする機会を持たずに、
最初からあきらめたり早々に見切りをつけることは好ましくありません。つま
り、各自のセンスを見抜くことが講師や研修部門の重要な任務であると言えま
す。

 これらは簡単に言うと「適材適所」を実現することと言えますが、「材」を
適所に配置することは可能でも、「所」への適材の配置は、まずは適材がいな
いと満たすことができません。それらは、短期的には人材の中途採用で満たす
と考えることもできますが、中長期的には人材採用の時点でこれらを意識する
べきでしょう。中長期的に安定して会社全体の必要とされる能力要件を満たす
には、センスを磨きセンス引き出す人材育成と、センスを見抜く人材採用とい
う観点で、これらを連動させて取り組むということが重要であるといえるでしょ
う。

********* [筆者プロフィール] ********
柴原健次 人材育成コンサルタント、ビズタレントアカデミー講師

教育および人材育成の世界に足掛け四半世紀、その間、MCP、MOUS、
セキュリティアドバイザーなどの資格制度立上げを行い、ベンダー資格および
教育制度の礎を築く。現在、IT活用時代における人材育成にフォーカスし、
人材育成コンサルティングとともにビジネススキルに関する講師、執筆監修、
講演活動に注力している。
現在、(株)クリエアナブキ ITビズタレント事業推進部 部長。

ウェブサイト: http://www.crie.co.jp/itbiz/
(連載コラムはウェブサイトでも掲載中)
メール: biztoffice@crie.co.jp

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[4]【連載】君爺の新教育学談義(14)
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 先日公開した態度能力体系を大幅に改版しました。改めて掲載します。まだ
発展途上ということです。

 この態度能力分類体系の特徴の一つは、初級の能力から高度な能力へと整列
させ、5水準にまとめていることです。一時期に能力を評価するのではなくて、
段階的に育成するのに向きます。特徴の二つ目は倫理・道徳教育だけを目的に
しているのではなくて、あらゆる実務上の態度を扱えることです。

 先日ある研究会で「この五つの水準は新入社員、平社員、管理職、そして経
営者というような職位に対応させるという使い方もできます」と説明しました。
そうしたら参加者から「水準1から教育し直さなければならない人が管理職に
も多い」という意見が出て、ほかの人もうなずいていました。

能力分類体系
  知識能力
   ・・・
  身体能力
   ・・・
  態度能力
   水準5:革新(innovation):時間軸上の態度あるいは集団における改革。
    勇気(courage) 例:一人でも正義のために立ち上がる。
    改革(reformation) 例:新たな態度を公式化する。
    真摯(integrity) 例:流行から独立性を保つ。
   水準4:競合(competence) 改善のために貢献する。社会空間上の態度。
    世話(caring) 例:他人の主体的行動へ介入する私の自主的行動
    市民性(citizenship) 例:地域の労働奉仕に参加する。
    勤勉(diligence) 例:物事を先のばししない。
   水準3:価値(valuing) 価値や質を理解し、価値基準に基づいて行動。
    判定(judgment) 例:ありがたい、と査定したことに感謝する。
    責任(responsibility) 例:職務へ配置されたことに対する義務的行動
    公正(fairness) 例:えこひいきなしに人々を扱う。
   水準2:応答(responding):私から他人への基本的な態度
    敬意(respect) 例:他人のことを考慮する。
    正直(honest) 例:うそをつかない。
    反応(reaction) 例:分からないことを他人に相談する。
   水準1:受容(receiving):私への入力の認識能力
    信頼(trustworthiness) 例:秘密を守る。
    認識(recognition) 例:状況の中のキューに気づくように待機する。
    意識(awareness) 例:状況の中の音を謹聴する。

********* [筆者プロフィール] ********
君島浩 防衛庁教育専門官(instructional design professional)

古参教育デザイナ。防衛庁の民間人材採用第1号。ISD技法の導入に取り組ん
でいる。富士通時代に基本ソフトウエア開発、ソフトウエア工学、ソフトウエ
ア技術者教育を担当した。著書に「新時代の研修技法」(マネジメント社)、
「日本語作文作法」(日科技連)など。

ウェブサイト: http://www2.tokai.or.jp/kimijima/
メール: mailto:mso-ced@ic.jmsdf.go.jp
所属学会:ソフトウエア技術者協会 http://www.sea.jp/SIGEDU/index.html

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[5]【連載】Mr.サイトウ プレゼンツ
   「ITスキル標準とヒューマンスキル どっちが大事?」(第三回)
    〜 今求められる人材とは 〜
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◇ITスキル標準の Ver 1.1 の概要(改訂版)公開

 さて、この8月15日にIPA内のITスキル標準センターからITスキル標準の
Ver1.1の概要(改訂版)が公開されました。

http://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/news/itss/newOutline_v1_1.html

 ここでは、前版の説明不足の改善と活用の際の分かりやすさの改善がなされ
ています。

 また、2006年3月に以下の内容を改善したVer2.0を公表する予定が明示され
ました。

 1. 職種と専門分野
   ・専門分野を見直し統廃合する
   ・職種の説明を充実する
  2. 達成度指標
   ・構成と内容を見直す
   ・評価基準を明確にする
   ・「タスク特性」の名称を変更する
  3. スキル熟達度
   ・構成と内容を見直す
   ・スキル項目の名称を見直す
  4. 分かりやすさ
   ・できるかぎり平易な表現にする

 これによって、今後の方向性、発展性などが見えてきました。

◇ITSSがいよいよ調達からブレイクの兆し

 最近、筆者の周辺では、このITスキル標準が調達(人材採用と業者の選定)
用途に使われ始めていることをよく耳にするようになりました。大手ITベン
ダーはほぼ揃って、パートナー企業、業務委託先企業に向けてITSSレベルの申
告を求める動きがあり、主にレベル3以上のスキル取得を推奨している様です。
その結果、業務委託先企業や人材派遣業で呼応する動きが見られるようになり
ました。

 また、金融庁が情報システムの調達基準として、ITスキル標準に沿ったス
キル・レベルをITベンダーに申告させることを決めたとの記事が出ていまし
た。ITベンダーの技術者の経験やスキルを数値化して把握することで、料金
や品質の適正化を図るのが目的で、他の中央省庁にも波及する可能性が示唆さ
れています(ITプロフェッショナル誌)。

 いよいよブレイクする兆しが見えて来ており、読者の皆さんもこの変化に対
応してスキル強化、キャリアアップの先取りを意識されてはいかがでしょうか。

◇ITエンジニアの実態調査と効果的なキャリアアップ目標

 では、キャリアアップをどのように考えていけばよいのでしょうか。少し前
になりますが、IT エンジニアの職種別の過不足状況を示す経済産業省の調査
があります。

図1. IT エンジニアの割合調査(出典:経済産業庁)
http://www.daijob.com/dj/ja/it_skill/it_human/ithuman003_pop01.html

図2. IT エンジニアの職種別過不足感(出典:経済産業庁)
http://www.daijob.com/dj/ja/it_skill/it_human/ithuman003_pop02.html

図3. キャリアパスの例 (出典:経済産業庁)
http://www.daijob.com/dj/ja/it_skill/it_human/ithuman003_pop03.html

 上記の図1と2から、高度IT人材が不足していることが見えます。特に、ITコ
ンサルタント、プロジェクトマネージャ、ITスペシャリストの高度・中堅レベ
ルが大幅に不足しています。

 これら職種を目指すためのキャリアパスは上の図3が参考になります。ITス
ペシャリストでハイレベルを目指すもよし、管理スキル、ヒューマンスキルを
磨けば、ITコンサルタントやプロジェクトマネージャの道が開けて来ます。

 また、先程の職種別過不足感の図からは、プロダクト開発、保守運用の人材
はほぼ足りていることが分かります。

◇ITセールスは穴場職種 ?

 ここで、注目すべきは、ITセールスでしょう。50%の企業が人材の不足感を
もっている職種です。また、年収の実態比較でも、2003年度経済産業省の委託
事業報告の調査の数字によりますと、ITセールスは、コンサルタント(ハイレ
ベル: 602.5 〜 1302.0万)、プロジェクトマネージャ(ハイレベル: 571.0 〜
1283.3 万)、ITスペシャリスト(ハイレベル: 548.6 〜 1244.9 万)の分
布に比べても、602.8 〜 1314.8 万と比較的高い水準を示しています。ITエン
ジニアの方々にとって、ITセールスの職種は、これまでの技術スキルの上に
ヒューマンスキルや営業センスをプラス出来る方であれば訪問型コンサルティ
ングセールスでレベル7迄いける職種でもあり、職種のバリエーションも広く、
また低いレベルからも移れ、意外とキャリアアップの穴場かも知れません。ち
なみにセールスからさらに経営寄りを目指す方には、最上流のマーケティング
があり、年収も774.5 〜 1434.0 万と群を抜いています。

 これらの営業系職種は企業の経営戦略を具体化する上で、上流工程となり、
人材戦略上も必要度が高いポジションであることを裏付けてる格好となってい
ます。

◇プロジェクトマネジメントは ITSS 必須スキル

 さて、ITスキル標準でどの職種にも必須となっているのが、プロジェクト
マネージメントのスキルです。ITSSのプロジェクトマネージメントは、PMBOK
(Project Management Body of Knowledge)を基準としていますす。

 PMBOKはアメリカの非営利団体PMIが策定した、世界標準と言ってもよいプロ
ジェクトマネジメントの知識体系です。もともと米国防総省が大規模プロジェ
クトを管理するためのマネジメント手法を体系化したのが始まりとされ、従来
の品質、コスト、納期の3つに着目した「QCD」マネジメント手法を拡張し、
PMBOKでは、プロジェクトを遂行する際に、統合管理、スコープ、タイム、コ
スト、品質、人的資源、コミュニケーション、リスク、調達の9つの知識エリ
アでマネジメントを行なう必要があるとしています。またPMBOKに準拠した国
際的な認定資格である「PMP」が日本でも人気となっています。これは、まず
は基本知識が理解でき、トライする価値のある資格といえます。

 しかし、プロジェクトマネジメントの実践では、人間を相手にする訳で、決
してPMBOKの知識体系を習得すればできる訳ではありません。例えばリスクマ
ネジメントだけ完璧に進めようとするあまり、失敗する要因ばかりをあげて、
後ろ向きな自分本位な交渉やマネジメントを行うことを目標とする人がいます。
そうしていれば目先の損はしないでしょうか、こうした対応ばかりしていると、
いずれ人間関係を失うことになりかねません。どんな仕事にしろ、一番大事な
ことは人間の信頼関係だということを理解しておいてください。

◇ヒューマンスキルとコンピテンシーの重要性

 筆者は、プロジェクトマネジメントを実践する上で重要となる、ヒューマン
スキルとコンピテンシーに注目しています。また以前から、ITSSで把握する実
務能力と、人間の総合的な人格との範囲の比較を下の図4の様に捉えて、人材
育成・教育に取り組んでまいりました。

図4.(C)2005 ネクストエデュケーションシンク作成
http://www.nextet.net/products/daijob/pop004.html

 それでは、次回は、この図を参考に、効果的な各スキル取得について考察し
たいと思います。

※ 本原稿の初出は DaiJob.com「ITスキルアップ」コラム連載より。
最新号はこちらで
http://www.daijob.com/dj/ja/it_skill/it_human/ithuman003.shtml

********* [筆者プロフィール] ********
斉藤 実(さいとう みのる) ITSS ユーザー協会 スキルアセッサー部会 
教育・研修 WG 副主査。 JPC 認定プライバシーコンサルタント。スキル診断
・教育サービスコンサルタント。

哲学教育系雑誌編集長を経て、株式会社アスキー入社。パソコンマニュアル
OEM 編集長、IT系教育メディア編集長、健康系編集長を経て、 1999 年にeラー
ニング、スキル診断専門の教育サービスベンチャーである株式会社ネクストエ
デュケーションシンクを立ち上げる。代表取締役社長。
HP: http://www.nextet.net

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[6] <月間>eラーニングマガジン第43号のお知らせ【人材育成戦略マガジン】
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現在発行中のeラーニングマガジン第43号では、以下の特集を掲載しています。
  ▼eラーニングマガジン http://www.nextet.net/e-learning/

【 1 】あなたが変える! "仕事"の意識を変革する連載
   会社を動かすコンサルタント思考術(6)
                    <経営コンサルタント 小泉 雅史>

前回は、「潜在ニーズを探り、当事者の認識レベルを超えたニーズを掘り起こ
し、創造的に製品開発を行えば感動創出レベルが高まる」という「インサイト
・アウト思考」について説明しました。では、実際にどのようなニーズを読み
取り、どのように具現化していけばよいのでしょうか。今回は、これら2つの
項目をさらに下位レベルに分けて具体的に思考して実践していく方法について
説明します。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
【 2 】eラーニングコース紹介
   本格的なコーチングをeラーニングで学ぶ!
   コーチ・トゥエンティワン「コーチング・マネジメント」

今回は、いま注目のコーチングを本格的に学ぶことのできる株式会社コーチ・
トゥエンティワンのeラーニング「コーチング・マネジメント」をご紹介しま
す。「新しいマネジャーを育てたい!」「部下の自発性・自律性を引き出して、
生産性や業績を向上させたい!」――そう思いながらも、育成スキルやノウハ
ウがなかったり、研修を受ける時間がなかったり、会社で機会が提供されない
などの理由で、コーチング学習を断念していたマネジャーやリーダークラスの
方にお勧めの講座です。

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【 3 】現場の事例で学ぶマネジメント連載
   ヒューマン・マネジメントのテクニック(11)
                              <芦屋 広太>
前回までで、筆者のモデル化している「ヒューマン・マネジメント」の基礎理
論はほぼ説明を完了した。しかし、当時から「ヒューマン・マネジメント」に
ついて詳細に理論化していたわけではなく、実際に起こった内容を細かく記録
して、蓄積・体系化したノウハウを別の機会に適用しようといていた。そして、
それを使う機会は「システム統合」というかたちですぐに訪れることになった。

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【 4 】新卒採用で成功する秘訣
   企業の“魅力編集人”株式会社ワーク・長尾氏に聞く

企業にとって06年度の新卒採用活動は、例年以上に厳しいものでした。今から
07年度の活動を開始している企業も多く、ますます激しさを増すことが予想さ
れます。そこで今回、のべ1300社の新卒採用活動を手伝ってきた株式会社ワー
ク代表取締役社長・長尾小百合氏に、07年度の展望と採用活動で成功を収める
秘訣を聞きます。

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