【NET通信8月23日号 Vol.048】「大規模災害対応の基礎知識」eラーニングと
「会議を意味あるものにするために」
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NET通信 《人材開発・教育戦略メールマガジン》 8月23日号 Vol.048
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  まだまだ暑いこの頃ですが、ますますご健勝のほどお喜び申し上げます。
  今回は、「NTTデータ 企業向け災害対策eラーニング講座『大規模災害対応
の基礎知識』の販売開始」からお届けします。
  また、芦屋広太氏の“人を動かす言葉”、柴原健次氏の“活かされてこそ価
値ある人材育成”、君島浩氏の“君爺の新教育学談義”など好評連載をお届け
いたします。

─[ INDEX ]─────────────────────────────

[1]  NTTデータ 企業向け災害対策eラーニング講座
       「大規模災害対応の基礎知識」の販売開始

[2] 【連載】芦屋広太の“人を動かす言葉”(23)

[3] 【ニュースリリース】ネクストエデュケーションシンク、IT教育コンサル
タント・芦屋広太氏監修による派遣社員向け情報漏えい・法令違反リスク診断
ツール「芦屋広太の個人情報保護/コンプライアンス診断 for HAKEN」を発表。

[4] 【連載】活かされてこそ価値ある人材育成
         第2回 研修の目標定義の重要性

[5] 【連載】君爺の新教育学談義(9)

[6] <月間>eラーニングマガジン第41号のお知らせ
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[1]NTTデータ 企業向け災害対策eラーニング講座
       「大規模災害対応の基礎知識」の販売開始
         〜災害時初動対応教育を全社員に向けて一斉に実施可能〜
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 最近、震度の大きな地震が断続的に発生しています。7月23日には千葉県北
西部でマグニチュード6.0の地震が発生、中央線など電車が長時間ストップし、
数多くのエレベータが止まりました。8月16日には宮城沖でマグニチュード7.2
の地震が発生して、関東地方でも大きな揺れを観測しました。

 実際に大規模な地震や災害が起こったときに、企業としてどのように対応す
ればよいのか、また個人や従業員としてどのような行動(初動)をとればよい
のかを知っていることは、とても重要なことだと考えられます。しかし、全社
員に向けて、そのような教育を実施する機会を得るのは難しいのではないかと
思います。こんなときに活躍するのがeラーニングです。

 株式会社NTTデータは8月4日、日本リスクマネジメント株式会社の監修・協
力を得て、企業の災害対策対応方法を学習するeラーニング教材「大規模災害
対応の基礎知識」を開発、販売を開始しました。災害発生時の初動対応に内容
を絞り、「個人として身に付けておきたい災害時行動」と、災害時の近隣住民
への配慮、業務復旧・継続のための平時からの備えなど、「ビジネスパーソン
が身に付けておくべき配慮」という、2つの視点に基づいて構成されています。
災害時にとるべき行動や、業務を継続するための事前準備などを社員が身につ
けることで、大規模災害からの業務の早期復旧を目指す内容となっています。
学習時間は約30分と非常にコンパクトです。

 NTTデータの本製品は、CSR(Corporate Social Responsibility<企業の社
会的責任>)推進のためのeラーニング講座の第4弾です。大規模災害の多発と
脅威の高まりから、事前にビジネス継続計画(BCP:Business Continuity
Planning)に備えておくことは、今後どの企業にとっても必須の教育になるの
ではないでしょうか。

ニュースリリース
http://www.nttdata.co.jp/release/2005/080401.html

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ロジカルシンキング強化公開セミナーのご案内(東京)
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  昨今のビジネス環境では「ものの本質を掴む能力」「分かりやすく説明する
力」「限られた情報、時間の中で結論を導くための仮説を考える能力」がます
ます必要になっていることにより、ロジカルシンキングの重要性にスポットラ
イトが当たっているといえます。このセミナーはそのようなニーズに応えるこ
とのできる内容のセミナーです。
  論理的思考力の強化と問題解決能力の向上を目指した今回のセミナーでは米
国ハーコート社(Harcourt Inc.)が開発した論理思考力アセスメント(ワト
ソン=グレイザー・クリティカル・シンキング・アプレイザル)の日本語版を
使って個人の論理思考力を客観的に評価し、その後、思考技術の基礎を学び、
論理的に問題を解決する方法を習得できるようなカリキュラムになっています。

 開催日時:2005年9月27、28日(火、水)10:00〜17:00
  会場: 大崎ゲートシティホール ルームB (東京)
  参加費: ¥35,000(2日間、アセスメント料金含む)

お申し込み方法:1.お名前(フリガナ)、2.会社名、3.ご所属・お役職、
4.Tel・Fax、5.Eメールアドレスをご記入の上、メールにてお申し込みく
ださい。折り返し詳細をご案内申し上げます。

お申し込み・お問合わせ先:novations@dbm-j.co.jp

【主催・お問合わせ先】日本ドレーク・ビーム・モリン株式会社
            教育研修部 Novations研修グループ 奥村
〒141-0032 東京都品川区大崎1-11-1 ゲートシティ大崎ウエストタワー22F
Tel:03-5437-1712   Fax:03-3779-3202  URL:http://www.dbm-j.co.jp
※個人情報の収集・利用目的について
ご提供いただいた個人情報は、セミナー開催業務に関する連絡等の事務処理で
の利用、当社グループからの商品・サービスに関する情報提供・提案、および、
商品・サービスの向上等を目的としたアンケートの実施を行う目的でのみに使
用し、それ以外の目的には使用いたしません。
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製造業における高齢者「雇用延長と対策事例」セミナー(無料:大阪)のご案内
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の課題となっております雇用延長対策につきまして、メイテックグループによ
る「雇用延長と対策事例」セミナー(無料)を開催いたします。

 単なる法改正対応ではなく、(1) 「企業競争力の向上につながる対策」、
(2) 「コストバランス(主に人件費)をはかる対策」、(3) 「社員の皆さまの
モチベーション向上をはかる対策」の3点を重視したご提案を申し上げます。

 弁護士による「改正法の概要と継続雇用の条件設定に関するポイント」の解
説もあります。人事関連部門の皆さまには、ぜひこの機会をご活用ください。

 開催日時:2005年9月8日(木)15:00〜17:30 於 ウェスティン大阪

お申し込み方法:1.お名前(フリガナ)、2.会社名、3.ご所属・お役職、
4.Tel・Fax、5.Eメールアドレスをご記入の上、Eメールにてお申し込みく
ださい。折り返し詳細をご案内申し上げます。

お申し込み・お問合わせ先:novations@dbm-j.co.jp

【主催】メイテックグループ
【お問合わせ先】日本ドレーク・ビーム・モリン株式会社
         教育研修部 片平
〒141-0032 東京都品川区大崎1-11-1 ゲートシティ大崎ウエストタワー22F
Tel:03-5437-1712   Fax:03-3779-3202  URL:http://www.dbm-j.co.jp

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ご提供いただいた個人情報は、セミナー開催業務に関する連絡等の事務処理で
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[2]【連載】芦屋広太の“人を動かす言葉”(23)
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「議事録は会議の前に書く。この意味が分かるか? ……ただ人を集めて意見
を言わせるだけじゃ駄目なんだよ。自分の思うとおりの結論に誘導する。この
力を身につけなきゃいけないんだ」

●会議を「意味あるもの」にするために

 仕事だけではないでしょうが、会議を行う機会は非常に多いと思います。時
には参加者として、あるときは開催側として、多くの組織で会議を行っていま
す。

 しかし、その会議が「本当に意味があった会議」だったかを振り返る人はど
れくらいいるでしょうか。また、「会議を意味のあるもの」にするために最大
限努力する人はどうでしょうか。このような「心構えのある人」は非常に少な
い。これが私の経験から出た実感です。

 私は「会議を意味あるものにする」ためには、交渉力などのテクニックより
も、「心構え」が重要だと思っています。心構えができている人は用意周到に
準備できる。準備をすれば会議をスムーズに結論に誘導することができるので
す。

 一つひとつの会話を事前想定し、結論に肯定的な意見は補足し、意味のない
反論は冷静に収束させる。そして、説得力のある反対意見を的確に吸い上げ、
自論をブラッシュアップする。このように机上でシミュレーションを行うこと
で誘導の制度を向上させることができます。

 つまり、「意味のある会議」にしようとすれば必然的に、準備段階でシナリ
オが書きあがっているはずです。当然、会議の前に議事録を書いておくことも
可能になるのです。「議事録は会議の前に書く」この意味がお分かりいただけ
たでしょうか。

 冒頭の言葉は、まだ、私が中堅人材のときに上司の井上(仮名)から言われ
たもので、非常に心に響いた言葉でした。

 当時私は企業の企画担当者の立場で、新しいビジネスを模索し、いくつかの
企業とアライアンス(提携)に向けたビジネスモデルの立案や先方との交渉を
していました

 このような新しいビジネスはリスクを伴うため、社内で反対されることも多
く、我々のチームは常に会議で人を説得することが必要でした。私はまだ若かっ
たため、先輩達の補助的な役割しかさせてもらえませんでした。

 あるとき、井上が私に「会議を開いてお前の考えを話してみろ」といいまし
た。いつまでも私が補助的な仕事しかしていないのを問題と思ったのでしょう。
実践で力を磨けという趣旨だったに違いありません。しかし、私は最初のチャ
ンスを生かすことができず、自分の考えを他人に通すことができませんでした。

 その日、私は井上に呼ばれました。そして言われたのが「次からは会議の前
に議事録を見せろ」だったのです。意味が分からなくうつむいている私に、井
上は冒頭の言葉を続けました。たった一言の言葉で、私は自分に足りないこと
が分かったような気がしました。

――会議を意味あるものにするために

これに必要なのは、準備であり、準備をしようと思う心構え。
これを一瞬にして理解させる言葉だったのです。

 ※バックナンバーは芦屋氏のブログで他のコンテンツとともにお読みいただ
   けます。
  http://d.hatena.ne.jp/officearon/

********* 【筆者プロフィール】 **********
芦屋広太(Asiya Kouta)IT教育コンサルタント・システムアナリスト

優秀IT人材の思考・行動プロセスを心理学から説明した「ヒューマンスキル教
育」をモデル化。日経コンピュータや書籍への発表、学生・社会人向けの講座・
研修、企業向けコンサルティングに活用している。著書に「SEのためのヒュー
マンスキル入門」(日経BP社)、「Dr.芦屋のSE診断クリニック(翔泳社)」
など。

 サイト:http://www.a-ron.net
  メール:clinic@a-ron.net

…………◇ 本連載に関するご意見・ご感想をお寄せください ◇……………
…………………………◇ メール:ed2@nextet.net ◇…………………………

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[3]ネクストエデュケーションシンク、IT教育コンサルタント・芦屋広太氏監
修による派遣社員向け情報漏えい・法令違反(コンプライアンス)リスク度診
断ツール「芦屋広太の個人情報保護/コンプライアンス診断 for HAKEN」を発
表。

〜国内で初めて個人情報保護、法令遵守への対応が急務の人材派遣会社向けに
投入 「芦屋広太の個人情報保護/コンプライアンス診断 for HAKEN」〜
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 eラーニング・スキル診断&教育研修サービス会社の株式会社ネクストエデュ
ケーションシンク(NET)(本社:東京都文京区、代表取締役社長:斉藤実)
は、人材教育・セキュリティ教育を手掛け、人材派遣業界にも詳しいIT教育コ
ンサルタントの芦屋広太氏(オフィスエーロンプランニング)(オフィス:東
京都文京区)と提携して双方の専門性・得意分野を活かし、情報漏えい・法令
違反リスクを簡単な質問に答えることで立体的・総合的に診断できるASPサー
ビス「芦屋広太の個人情報保護/コンプライアンス診断 for HAKEN」を開発し
た。1人あたり3,990円(税込)で8月から発売を予定。企業での利用の際に
は、利用数によってボリュームディスカウント価格が適用される。

 開発の背景には、個人情報保護法施行や法令遵守などにともなう企業側のリ
スク対策強化がある。正社員、派遣社員の区分なく情報漏えい対策は必要だが、
企業側は正社員には教育を行いやすいものの、短期で頻繁に入れ替わる派遣社
員は派遣元に教育を求めることが一般的。そこで、国内200社以上の利用実績
のある診断ツール「NETスキルチェック(R)」の新コンテンツとして提供し、
診断結果をもとに芦屋氏が診断書(証明書)を作成し、企業側が派遣社員を選
別する際の指標にできるようにした。

 販売にあたっては、株式会社ネクストエデュケーションシンクの各種スキル
診断ツールの販売パートナー十数社経由ならびに、教育・人材コンサルタント
などを新規販売代理店として広く募集する。また、人材派遣会社と並行して内
定者、新人社員、若手社員向けにカスタマイズしたシリーズを投入し、年間
100社採用、10万ライセンスの利用を目指す。

 「芦屋広太の個人情報保護/コンプライアンス診断 for HAKEN」の最大の特
長は、1.客観テスト型スキル診断により現在の意識、スキル・知識レベルの
計測、2.リスク指標の診断によりこれまで分かり難かった人材の情報保護意
識、行動特性、スキル、知識を可視化することが可能となる点。これらの方向
から立体的・総合的に診断することで、派遣社員一人ひとりに必要な教育が明
らかにできる。また、診断結果を診断書(証明書)にすることにより、企業側
は派遣社員の選別がより客観的に行えるようになる。企業、派遣会社双方にとっ
て効果的なシステムといえる。

■芦屋広太の個人情報保護/コンプライアンス診断 for HAKENの特長

 芦屋氏がこれまでの実務で培った経験と情報漏えい事故の原因となった事象
を分析。リスクが存在する分野を1.情報保護意識、2.基本行動、3.資料
管理力、4.パソコン管理力、5.ユーザID・パスワード管理力、6.電子メー
ル利用力、7.ウイルス対策、8.インターネット利用に分類し、9.コンプ
ライアンスを加えた9分野にわけ、質問に解答することでリスクを計数化し、
自己申告に依存しない客観的なスキル・知識の判定を実現。診断結果はレポー
ト化し、派遣元会社が派遣社員一人ひとりの課題分野の強化に利用できるよう
にしたり、企業側が派遣社員を選別するために使用できるようにした。芦屋氏
のセミナー、教材投入も予定している。

■今後の商品展開

 人材教育、セキュリティ教育に加え、金融分野の実務に強い芦屋氏の専門性
を生かした「芦屋広太コンプライアンス診断シリーズ」をラインナップする予
定。具体的には、1.昨今社会問題化しているカード犯罪に対応した「キャッ
シュ・クレジットカード被害防止診断(仮称)」を銀行向けに投入することを
予定している。カード犯罪対策法制化に向けて、銀行に顧客向け教育義務を監
督庁が求めていることに着目した。また、2.インターネット通信販売増加で
リスクが高くなっている「フィッシング被害防止診断(仮称)」、3.「イン
ターネットオークション詐欺被害防止診断(仮称)」を大手ポータルサイトや
インターネット通信販売サイトと提携して顧客向け、ショップオーナー向けに
投入していく予定。

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[4]【連載】活かされてこそ価値ある人材育成
         第2回 研修の目標定義の重要性
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 新入社員教育、中堅社員教育、管理職研修、技術者研修、さらに内定者教育
など、さまざまな階層や職種で研修カリキュラムや研修マップが作られ、同じ
内容で繰り返し実施している企業も多いでしょう。それらはそれぞれの研修ご
とに、対象者や研修の目的が定義されていると思います。では、それらの“目
標”は定義されているでしょうか?

 目的と目標は同じようにも思えます。例えば、資格取得のための講座であっ
たり、試験で何点とるためというような研修の場合は、例えば目的は「資格を
取得するため」であり、目標は「資格試験に合格すること」であるので実質的
に同じであると言えます。このように目的の達成が目標である研修もあります。

 しかし、本質的には、“目的”は何のための研修かという研修そのものの定
義であり、“目標”はその研修受講により何を目指すのかというゴールのこと
で、これらは視点が異なります。現実的には、資格取得のような目標がはっき
りとしている研修の方が少ないでしょう。例えばリーダー職になるための研修、
操作を覚えるための研修、新技術を習得するための研修など、目的は明確です
が、目標と言われるとはっきりしていない研修が多いのではないでしょうか。

 研修受講を勧める人や研修部門など研修を提供する側は、受講者の選定や受
講希望者への説明のためにも目的の定義が重要です。しかし、受講者にとって
は目的とともに目標(=ゴール)が大事です。その研修を受講することによっ
て、何ができるようになるのか、どのようなレベルになるのか、それらの意識
があってこそ、受講後にその達成度の評価ができ、次につながる研修となりま
す。

 目標の設定については、必ずしもその“研修終了時点のゴール”を設定しな
くてもよい場合もあります。大きな目標を設定し、それを目指して、まずこの
研修ではここまで達するというものでも構いません。また、“今回の研修では
目標としないもの”を明確にすることも重要である場合があります。研修内容
として今回は扱わないものの明確化にもつながり、受講者の受講後の満足感を
高める要因ともなります。

 これら研修の目標について、研修受講者にしっかり意識をもたせることが重
要です。研修の最初に、講師は明確に説明をしているでしょうか? もとより、
それらの定義は明確でしょうか?要は、研修の目標とその範囲が明確になって
おり、講師、受講者、受講をさせる人、すべてが同じ認識を持てていることが
研修実施時の重要なポイントであるということです。わかっているつもりでも、
言葉にしてみると意外と食い違っていたりします。それぞれの人がそれぞれの
意識を持ち、受講することも悪くはないと思われますが、それはあくまでも高
いレベルでの話です。

 研修は講師の自己満足だけで終わってはいけません。もちろん研修部門の満
足だけでもいけません。これらは当たり前のようですが、現実をよく考えてみ
ると、意外とそのようであったりします。特に、同じ内容を繰り返し行ってい
る研修では、目標意識が薄れていることが少なくなく、時代やニーズの変化に
対応できていないことに気づいていないかもしれません。

 研修実施の際には、講師、受講者、そして受講をさせる人、それらのすべて
の人が、同じゴールを見据えた状態でスタートし、研修終了後に、どれだけ達
成できたか、あるいは今どこまで到達しているか、このあとどのようにしてい
けば最終目標へ到達できるかなど、それらを共有してこそ価値のある研修とな
ります。

********* [筆者プロフィール] ********
柴原健次 人材育成コンサルタント、ビズタレントアカデミー講師

教育および人材育成の世界に足掛け四半世紀、その間、MCP、MOUS、
セキュリティアドバイザーなどの資格制度立上げを行い、ベンダー資格および
教育制度の礎を築く。現在、IT活用時代における人材育成にフォーカスし、
人材育成コンサルティングとともにビジネススキルに関する講師、執筆監修、
講演活動に注力している。
現在、(株)クリエアナブキ ITビズタレント事業推進部 部長。

ウェブサイト: http://www.crie.co.jp/itbiz/
(連載コラムはウェブサイトでも掲載中)
メール: itbizprog@crie.co.jp

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[5]【連載】君爺の新教育学談義(10)
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 7月29日・30日に東大で行われた日本医学教育学会大会を視聴してきました。
http://jsme37th.umin.jp/

 印象的だったのは実に大人の学会だということです。今まで私が参加したこ
とがあるのは電気、コンピュータ、ソフトウエア、教育、文書技術、経営など
の分野の学会です。それらに比べて医学分野の人達は大人です。同じことを私
は成熟、高貴、冷静、上品、良き市民、欧米的などとも表現します。そうそう
米国の学会の大会を視聴した時にも感じがいいなあと思ったものです。

 例えば、パネル討論会の参加者が時間を守ります。時間を意識しないという
ことは大人でないこと、冷静でないことの表れです。5人のパネラは最初の発
表を短く済ませますし、長引きそうだと司会者が止めます。えらいパネラに対
してでも率直に止めるというのは大人です。結果として質疑応答の時間がたっ
ぷり残ります。

 質疑応答の時間は最初からフロアの質問を受け付けます。並みの大会なら改
めてパネラから質問させたり、えらい指定討論者に質問させたりします。医学
教育学会の場合には、フロアからの質問を優先しますし、その質問も時間を気
にした簡潔なものばかりです。たくさんの質問を消化できて有意義でした。

 ワークショップ(作業集会)でも似たような経験をしました。医者たちがチー
ムごとにある科目のカキリュラムやシラバスを設計します。司会者が時々、権
威者たちの助言を求めます。並みの学会なら司会者は権威者に対して、媚びへ
つらって頼むものですが、医学教育学会の場合にはさらっと頼みます。権威者
も権威ぶって長々と演説することをしません。こういう点に私は紳士・淑女ぶ
りを感じてしまうのです。

 これらのことを再確認したのは接遇・言語・教育学のセションを視聴した時
でした。ここの発表だけは普通の学会の雰囲気を感じたのです。情熱的で未成
熟な印象を受けました。未成熟というのは例えば理論を引用していないことな
どです。雰囲気が違う原因は、ここだけは医学以外の専攻の教員が発表したか
らだろうと思います。情熱を持つのはいいのですが、情熱的になると反省がお
留守になったりします。冷静という「ホームポジション」に戻るべきです。

 教育学術については進歩的な面と遅れている面の幅が広いです。例えば教育
評価について、一方では先端的な試験品質管理を研究している人がいると思え
ば、一方では学生による授業評価の初歩的な試行をしている人がいます。大学
の教育改善では学生アンケートによる授業評価が流行していますが、正攻法な
のは成績で授業評価をすることだと思います。カークパトリックの水準1反応
評価と水準2成績評価の使い分けの問題です。成績を直視すべきです。

 全体としては医学教育学はほかの学部の教育に比べて格段に進んでいます。
教育学水準が大人と子供の違いです。模擬患者を養成して医者の診察演習の相
手をさせるなどです。理論と実践に裏打ちされた根拠ある教育をしています。
このことを医学界ではエビデンス(根拠)ベースド教育というキャッチフレー
ズを使って推進しています。我が自衛隊といい勝負だと思いました。どちらも
命に関わる実務から逆算して、必要な教育をするからでしょう。

 発表技術に戻ると、原稿を読む人が多いです。原稿を準備するのは話しの品
質をよくするのと時間を守るのに役立ちます。この点はほかの分野の学会の発
表者も見習うべきでしょう。しかし、原稿を読むと視聴者と視線を合わせられ
ないので、本番では読むべきではないですね。

********* [筆者プロフィール] ********
君島浩 防衛庁教育専門官(instructional design specialist)

古参教育デザイナ。防衛庁の民間人材採用第1号。ISD技法の導入に取り組ん
でいる。富士通時代に基本ソフトウエア開発、ソフトウエア工学、ソフトウエ
ア技術者教育を担当した。著書に「新時代の研修技法」(マネジメント社)、
「日本語作文作法」(日科技連)など。

ウェブサイト: http://www2.tokai.or.jp/kimijima/
メール: mailto:mso-ced@ic.jmsdf.go.jp
所属学会:ソフトウエア技術者協会 http://www.sea.jp/SIGEDU/index.html

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…………………………◇ メール:ed2@nextet.net ◇…………………………

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[6] <月間>eラーニングマガジン第41号のお知らせ
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現在発行中のeラーニングマガジン第41号では、以下の特集を掲載しています。
  ▼eラーニングマガジン http://www.nextet.net/e-learning/

【 1 】組織の緊急課題への取組みを支援する連載
   個人情報保護とプライバシーマーク取得の知識
           <正林国際特許事務所 所長 弁理士 正林 真之>

 「社内体制の確立」と「社内教育」が済んだ後は、「コンプライアンス・プ
ログラム文書のたたき台の作成」に入ります。個人情報の洗い出しや業務フロー
の提出が行われた段階で、個人情報保護管理責任者は各部署の個人情報保護担
当者に対してこれらのヒアリングを実施し、個人情報の特定やリスク評価を行
うことになります。ここで個人情報保護管理責任者は、各部署単位で、現状と
JISQ15001要求事項とのギャップ分析を行い、これらの結果を踏まえて、コン
プライアンス・プログラム文書を作成することになります。

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【 2 】あなたが変える! “仕事”の意識を変革する連載
   会社を動かすコンサルタントの思考術(4)
                    <経営コンサルタント 小泉 雅史>

 前回は、あなた自身あるいは部門・企業の存在意義の認識、つまり「ビジョ
ン」を創造するための考え方、そしてビジョンを実現するための「戦略」の策
定、さらに「実現能力」「リソース」への落とし込みの一連の流れについて説
明しました。今回は、この「ビジョン創造→戦略策定→実現能力洗い出し→リ
ソース獲得→ビジョン実現への実践活動」という作業の流れをより一層「高品
質」にするための思考方法、つまり「マインド」について考えてみたいと思い
ます。

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【 3 】eラーニングコース紹介
日本で唯一のMOT eラーニングコース「eMOT」

 日本では、大学院やビジネススクール等の80を超える機関でMOT(技術経営
:Management of Technology)教育が実施されています。(株)ケアブレイン
ズは、日本で唯一、MOTに関するeラーニングを提供するベンダーで(2005年8
月10日現在)、早稲田大学ビジネススクールによる開発・監修を受けて作成さ
れています。今回は、本eラーニングコース「eMOT」をご紹介します。

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【 4 】現場の事例で学ぶマネジメント連載
   ヒューマン・マネジメントのテクニック(9)
                              <芦屋 広太>

 前回は、やる気を失い「ミッション」を見失っていたメンバーに「ミッショ
ン」とは何かをミーティングを通して継続的に伝えていく過程を通して「ミッ
ション・コントロール」の具体例を説明しました。今回は、仕事を行う上で非
常に重要な要素である「モチベーション・コントロール」について説明します。
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