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NET通信 《人材開発・教育戦略メールマガジン》 6月7日号 Vol.043
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青葉若葉のみぎり、皆様にはますますご健勝のほどお喜び申し上げます。
今回は、欧州連合(EU)でeラーニングを用いた人材(財)投資が本格始動
する動きからお送りします。また、芦屋広太の“人を動かす言葉”、君島浩の
“君爺の新教育学談義”など好評連載をお届けいたします。
─[ INDEX ]─────────────────────────────
[1] 欧州連合(EU)でも人材(財)投資が本格始動
〜 eラーニング「4カ年」計画発表 〜
[2] 【連載】芦屋広太の“人を動かす言葉”(18)
[3] 【連載】君爺の新教育学談義(5)
[4] 資格取得の"負け犬"?
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[1] 欧州連合(EU)でも人材(財)投資が本格始動
〜 eラーニング「4カ年」計画発表 〜
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前回のNET通信では、経済財政諮問会議が「人」を重視する政策転換の提言
を行ったという国内の動きをお伝えしましたが、一方国外では、欧州連合(EU)
で、eラーニング「4カ年」計画というものが発表されています。
発表によると、2005年はeラーニング関係者・専門家の間で活発に議論を行
い、政策方針事項を決定します。2006年にはeラーニング政策についての取り
組みを整理して、その成果を評価、2007年にはEUが支援する計画を開始すると
いうことです。「Integrated Lifelong Learning Programme(生涯学習統合プ
ログラム)」をもとに、デジタルリテラシーなどの能力向上のための研究開発
事業を開始し、2008年にはデジタル化による社会進出を促進するためのプログ
ラム(eInclusion)をスタートする予定だということです。
今回のeラーニング推進「4カ年」計画の特長としては、「研究」「革新」
「生涯学習」という3つのキーワードをもとに、この「知識トライアングル」
をより連携させて密接なものとするための工夫が討議されて計画が決定された
ことがあげられます。EUにおけるデジタルリテラシーなどの基本的な能力を向
上させることが主眼となっているようです。
なお、欧州では、2010年を目標とする「i2010」(欧州情報社会2010)とい
うスローガンがありますが、これを実現するための具体的な施策があまり公に
されていませんでした。今回のeラーニング「4カ年」計画は、「i2010」を実
現するための具体的な施策として注目されます。
先の経済財政諮問会議は、「将来の競争力をつくるのは人であって、人間の
潜在力を引き出すことにお金を惜しんではならない」と強調しましたが、グロー
バル化のうねりの中で、政策転換を迫られている国々では、「人材(財)」に
関する投資を本格化しつつあるということができそうです。その中で、eラー
ニングの果たす役割は、大きな可能性を期待されているといえるのではないで
しょうか。
EUROPA -Gateway to the European Union- プレスリリース(英文)=
http://europa.eu.int/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/05/
577&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
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[2]【連載】芦屋広太の“人を動かす言葉”(18)
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「いいかい、誰にでもプライドがある。これをうまく利用するんだ。人を褒め
るのも、人に頭を下げるのも"タダ"なんだ。これを使わない手はないだろう?」
●私の対人能力を著しく向上させた言葉
人間には誰でも"プライド"があります。人によって持っているプライドの高
さは異なりますが、まったく"プライド"を持たない人はいないのではないでしょ
うか。
"人を動かす"という行為に、このプライドは大きく関係してきます。うまく
利用できれば、人は面白いほど動いてくれますが、失敗すれば、攻撃されるよ
うな事態になりかねません。プライドを利用したヒューマン・コントロールと
いうのは、なかなか厄介なものだと言えるでしょう。
人間の基本的行動特性として、行動の動機となるのは、プライドをくすぐら
れたり、褒められたり、頭を下げられたりした場合です。人間は社会性をもつ
動物。太古の昔からの集団生活を通して、他人とうまく協調していけるような
能力が備わっています。
この社会性を刺激するのが、プライドをくすぐられたり、褒められたり、頭
を下げられるという行為。ただし、行動のコストレベル(行動に苦痛がともな
うなど行動が大変である度合い)が高すぎたり、頼んできた相手との人間関係
が悪い場合は、行動の動機とならない場合もあります。
少し難しい話になりましたが、要は"人を動かしたいなら、人間関係を良好
に維持し、褒めたり、頭を下げればよい"という話です。しかし、残念ながら、
これができない人が多いのです。なぜできないのか……。これもプライドが関
係します。つまり、プライドが邪魔して他人を褒めたり、頭を下げることがで
きないということなのでしょう。
私も、若いときはプライドの高さが表面態度に出てしまう人間でした。この
ため、他人を褒める行為は自分に許せない、もっともしたくない行為でした。
当然、頭を下げることもプライドが許さない。議論してもいつも相手を論破し
たいと思うような人間でしたから、他人を動かすのは苦手でした。
あるとき、とても大きなプロジェクトで壁にぶち当たりました。人間関係が
ない人たち、年齢が自分より上の人たち、知識が自分より上の人たちをどうし
ても動かさなくてはならなかったのです。
しかし、私は彼らを動かすことができませんでした。議論しても、いつも喧
嘩になってしまうのです。相手も曲げない、自分も曲げない。協調できないの
だから、前に進むわけがありません。このような状況でも、自分のプライドが
邪魔しているとは気がつきませんでした。私は疲れ、仕事が嫌になっていまし
た。
この状況を見かねた先輩の石本(仮名)が私にアドバイスしてくれたのが冒
頭の言葉です。"人を褒めるのはタダ"この当たり前の言葉を私はまったく理解
していませんでした。自分の表面的なプライドを守るために、もっと重要なプ
ライドを失おうとしていた自分が滑稽に思え、二度と同じ失敗は繰り返すまい
と強く誓いました。
対人能力を著しく向上させる言葉。こんな魔法のような言葉の使い方もある
のです。
********* 【筆者プロフィール】 **********
芦屋広太(Asiya Kouta)IT教育コンサルタント・システムアナリスト
優秀IT人材の思考・行動プロセスを心理学から説明した「ヒューマンスキル教
育」をモデル化。日経コンピュータや書籍への発表、学生・社会人向けの講座
・研修、企業向けコンサルティングに活用している。著書に「SEのためのヒュー
マンスキル入門」(日経BP社)、「Dr.芦屋のSE診断クリニック(翔泳社)」
など。
サイト:http://www.a-ron.net
ブログ:http://d.hatena.ne.jp/officearon/
メール:clinic@a-ron.net
…………◇ 本連載に関するご意見・ご感想をお寄せください ◇……………
…………………………◇ メール:ed2@nextet.net ◇…………………………
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[3]【連載】君爺の新教育学談義(5)
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言語技術は、読む、書く、話す、聞く、の実践技法です。その中で作文技法
を取り上げましょう。ある主題の文章を書くとします。主題を話題群に分解し
て、それぞれの話題を文段にします。話題ごとに結論・総論といくつかの補足
説明に分解して、それぞれを話題文・補足文にします。それから結論・総論・
補足を構成する語句をコンパイラのような言語生成規則を使って一次元的に配
列します。あとは紙の桁数・行数の条件に合わせて空間配置をしてできあがり
です。
今回の記事全体は一つの文章の例であり、直前の文段が一つの文段の例です。
この文章の主題は「言語技術」です。直前の文段の話題は「言語技術とは何か」
であり、先頭の話題文で定義しています。話題文に続くいくつかの文は補足文
です。これらの補足文は作文の過程を逐次説明しています。
文には言語ごとの文法とは別に、万国共通の文の種類があります。既に紹介
したのは「定義をする文」と「過程の列挙の文」です。もう一つありました。
「例の文」です。文の種類としてはそのほかに、結果、原因、類似、差異、詳
細、挿話、事実などがよく使われます。
文の中の語句の配列方法を例示しましょう。「結婚」及び「挙式」を文にす
るとします。「結婚の挙式をする」にしますか。それでもいいですがもっと素
直に考えましょう。「結婚式を挙げる」でしょう。「結婚の挙式を行う」は
「犯罪を犯す」と同じく冗長です。「人事制度」「変更」「早急に」はどう配
列しますか。「早急に人事制度を変える」よりも「人事制度を早急に変える」
の方がよいでしょう。「早急に」は副詞なので自立性が低く、読み手の記憶に
とどめにくいので、できるだけ後に回すのです。機械翻訳ソフトウエアならこ
うします。
言語生成規則を覚える方が結局は楽になります。テレビ番組を視聴している
と「挙式を行う」とか「〜なんで、〜ですし、〜ですけれども、〜ですし、・
・・」などの文法や文の切れ目がいい加減な話し方が広まっています。車は左
という規則があると面倒かも知れませんが、いちいち左右を選ぶよりは結局は
楽でしょう。それにしても人間がとっさに話す能力は訓練の賜物です。
紙には物理的な限界があるので、文章を空間配置する規則も必要です。この
文段の直前の文段の最後に強制改行をしています。それ以外は自動改行です。
この文段の先頭は字下げしています。強制改行や字下げによって作った切れ目
のことを段落と言います。段落で文段を区切ることによって、文章の木構造の
雰囲気を残すのです。この技法は文章の内容の技法ではなくて隙間を作る技法
です。隙間は引き立て役に過ぎないので必要最小限にとどめます。わざわざ空
白行は入れません。
この文段のように、文段を空白行で区切って字下げをしない例があります。そ
れは広告やパンフレットやカタログです。広告などの文面は構造を持った文章
ではなくて、読者が自由に拾い読みする対象です。空白行で区切って独立性を
高めて、階層構造や前後関係を読者に意識させないようにします。空白行で区
切るから、必要最小限の原則に従って字下げはしません。
以上のような言語技術を日本の学校で教えてくれたら、みなさんは随分助かっ
たはずです。これらの技術は現代的な作文技法の指導者もあまり教えてくれま
せん。また「文段は話題文で始めよ」と教えている作文教科書自身が、文段を
話題文で始めていないことが多いです。私のこの文章のすべての文段は結論・
総論の話題文で始めることの手本を示しています。
********* [筆者プロフィール] ********
君島浩 防衛庁教育専門官(instructional design specialist)
古参教育デザイナ。防衛庁の民間人材採用第1号。ISD技法の導入に取り組ん
でいる。富士通時代に基本ソフトウエア開発、ソフトウエア工学、ソフトウエ
ア技術者教育を担当した。著書に「新時代の研修技法」(マネジメント社)、
「日本語作文作法」(日科技連)など。
ウェブサイト: http://www2.tokai.or.jp/kimijima/
メール: mailto:mso-ced@ic.jmsdf.go.jp
所属学会:ソフトウエア技術者協会 http://www.sea.jp/SIGEDU/index.html
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[4] 資格取得の"負け犬"?
G.F.Infinity Inc. 星野 幸代
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「会社が勉強させてくれるんなら、資格とってもいいけどね。毎日仕事に追わ
れているからね……」
あなたの周りに、こういうITエンジニアを見かけませんか?
おそらく、"IT資格の投資対効果(ROI=Return On Investment)"についてのこ
んな記事を見れば、その中の多くの人が目をそむけたくなるかもしれません。
http://jibun.atmarkit.co.jp/lcareer01/rensai/career/data01.html
この記事によると、資格取得者の半数は資格取得までに3ヶ月間以内、1ヵ
月以内取得という資格も珍しくありません。
また、投資金額も圧倒的に5万円未満という結果が出ています。一時期のよ
うに会社が社員に高額な研修費を出して、社員に資格取得支援することはかな
り珍しいケースなのです。つまり、資格はあくまでも個人が捻出した時間とお
金で取得するものであり、それがさほど無茶なことではないということを表し
ていると言えそうです。
では、上司であるあなたが、部下からこんな素朴な疑問をぶつけられたら?
「資格をとると何かいいことがありますか?」
「そりゃ、資格手当てだろう」などと答えないで下さいね。
私が思うに、資格を取っている人の多くの本音は、"専門的な知識・エンジ
ニアの基礎的な学問"を今更ながら積む機会を得られたというところではない
かと考えます。単に取得してよかったではなく、得られた知識等から今の自分
のスキル、会社におけるミッションがよりクリアになるはずです。また、次に
何をすべきか自ずと考える自分がそこにいます。そして、周りのメンバーの様
子が客観的に見えるようになるでしょう。
やや大げさに思えるかもしれませんが、自分のキャリアパスを少なからず実
現していく上での資格取得であれば当然のことなのです。
情報システム部にいた時のことです。あるユーザが顔をほころばせていわく、
「やっと初級システムアドミニストレータに合格しました!」。すると私と同
じ部員のほとんどがちょっと困惑した表情になりました。なぜでしょう? 冒
頭の言葉を発する仲間達だったのでしょうか?
(※ 本記事は、G.F.Infinity Inc.(ジー・エフ・インフィニティ)のご協力
により転載しております)
(※ G.F.Infinity Inc.では、「NET*Project - ∞」(ネット プロジェク
トインフィニティ)の開発・コンテンツ制作を行っています)
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