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NET通信 《人材開発・教育戦略メールマガジン》 5月24日号 Vol.042
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風清らかな初夏の候ですが、皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上
げます。
今回は“「人」重視の政策で経済活性化を!”からお届けいたします。また、
芦屋広太の好評連載“人を動かす言葉”、若鍋孝司氏の新連載第二弾“『経営
課題の解決者』としての人材開発担当者”、君島浩の“君爺の新教育学談義”、
eラーニングマガジン最新情報などについてお知らせいたします。
─[ INDEX ]─────────────────────────────
[1] 「人」重視の政策で経済活性化を!
〜経済財政諮問会議、「人」を重視する政策転換の提言を発表〜
[2] (株)ネクストエデュケーションシンク、人材派遣業者向けに
個人情報保護教育や採用時スキル診断などソリューション・パックを発売!
[3] NEC、全国の販売特約店に向けて「ITスキル標準(ITSS):レベル3」の
スキル取得をスローガンとして提起!
[4] 【連載】芦屋広太の“人を動かす言葉”(17)
[5] 【連載】『経営課題の解決者』としての人材開発担当者(2)
〜ターゲットと育成目標〜 株式会社セルム 若鍋 孝司
[6] 【連載】君爺の新教育学談義(4)
[7] <月間>eラーニングマガジン第38号のお知らせ
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[1] 「人」重視の政策で経済活性化を!
〜経済財政諮問会議、「人」を重視する政策転換の提言を発表〜
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経済財政諮問会議は5月11日、第10回会議が行われ、景気回復を続けるため
には政策転換が必要だとして、民間議員(ウシオ電機株式会社 代表取締役会
長 牛尾治朗氏、トヨタ自動車株式会社 取締役会長 奥田碩氏、大阪大学大学
院 経済学研究科 教授 本間正明氏、東京大学大学院 経済学研究科 教授 吉川
洋氏)から以下のような経済活性化のための提言がなされた。
政策対象を モノ ⇒ 人材へ
予算配分を 広く薄く ⇒ 先端支援へ大胆に集中へ
競争相手を 国内 ⇒ グローバルへ
特に「人材」戦略においては、「人口減少時代を迎え、その質と量を確保す
ることが我が国の競争力を確保する上で最重要の課題」とし、「将来の競争力
をつくるのは人であって、人間の潜在力を引き出すことにお金を惜しんではな
らない」と強調した。これらの提言に対し、中川経済産業大臣は、人材投資減
税や新産業創造戦略といった施策で努力していると述べた。
今回の提言は即効性のある決議などではないが、将来の政策に対して重要な
示唆を含むものだといえよう。義務教育から高等教育はもちろん、大学・専門
学校卒業後の非就業期間の問題を国が補佐する幅広い内容が議題となったが、
企業の人材育成においても骨子は同様であろう。今年度は人材投資促進税制実
施の初年度ということもあり、経営戦略に基づいた、より積極的な人材(財)
育成施策が企業に求められてる。
【5月11日の経済財政諮問会議について】
http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2005/0511/report.html
【「活性化のために政策の転換を」提言資料】
http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2005/0511/item5.pdf
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[2] (株)ネクストエデュケーションシンク、人材派遣業者向けに
個人情報保護教育や採用時スキル診断などソリューション・パックを発売!
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[3] NEC、全国の販売特約店に向けて「ITスキル標準(ITSS):レベル3」の
スキル取得をスローガンとして提起! ITSS導入拡大に拍車。
〜ネクストエデュケーションシンクの「ITSSレベルチェッカー」(TM)を
ITSS客観スキル診断ツールとして活用推奨〜
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NEC パートナービジネス推進本部(PB推進本部:販売特約店など、NECのパー
トナー支援を主要な業務とする部署)は、全国のNEC販売特約店370社に向け、
ITスキル標準(ITSS)に合わせた人材育成支援を展開してきたが、今春より特
に「ITスキル標準 :レベル3」のスキル取得をスローガンとして掲げて、よ
りわかりやすいITSS人材育成の支援・サポートを実施している。
現在、経済産業省が策定したITSSの活用が、ITサービス企業各社で確実に進
みつつある。しかし、ITSSに合わせて人材育成を目指すことが重要と言われつ
つも、どこを目指してよいか具体的にわからず、ITSSが提示する膨大なドキュ
メントを前に戸惑う企業も多い。ITプロフェッショナルとして、一体どのよう
にしていけばよいのかわかりづらいという声も聞かれる。
しかし、「レベル3以上がプロ、レベル1〜2はプロ未満」との評が世論と
して徐々に定着しつつあり、今後はレベル3以上のスキルをもつ人材をいかに
多く育成するかが、ビジネス機会拡大の重要なポイントであると言われる。
ITSSを紐解くと、エントリーレベル(レベル1〜2)は、「上位者の助けを借
りながら、業務を遂行することができる」というレベル――いわば「プロ未満」。
昨年の6月に「日経ITプロフェッショナル」誌が2万人超のITエンジニアを対象
に実施した調査では、「エントリーレベル」のエンジニアが全体の46%を占め
るという結果になった。一方、ミドルレベル(レベル3〜4)は、「自分の力
で業務を遂行することができる」というレベルであり、「レベル3」は独力で
仕事をこなすことができるようになる「ITプロフェッショナルとしてのスター
ト地点」ということができる。
そこで、NEC PB推進本部では、今春よりITSSのレベル感を活用して、「ITス
キル標準 :レベル3」を取得するスローガンを掲げ、よりわかりやすく具体
的にITSSに関わっていくことができるプロモーションを実施して、全国の販売
特約店に働きかけをはじめた。さらに、この4月から本スローガンを、地域ご
との各会合でも強く推奨している。これは、ITSSを難しく考えずに、わかりや
すいかたちで取り組む適切なアプローチといえるだろう。さらに、企業の人材
がレベル3の実力を持つと認められれば、内外ともにビジネス機会も増大する
と考えられる。
なお、販売店のITSSレベル診断について、NEC PB推進本部は、株式会社ネク
ストエデュケーションシンクが開発した「ITSSレベルチェッカー」(TM)を昨
年より採用している。「ITSSレベルチェッカー」(TM)とは、自己申告方式で
はなく、客観テスト診断方式を100%採用したITSSレベル診断ツール。自己申
告で回答していく診断方法では得ることのできない、本当の実務スキルを客観
的な数値で測定することが可能な製品である。
このように、NEC PB推進本部では、「ITスキル標準 :レベル3」を取得し
ようという具体的なスローガンを掲げ、ネクストエデュケーションシンク社の
「ITSSレベルチェッカー」(TM)をさらに活用することで、診断を45分〜1時
間以内の短時間で実施してより簡単にITSSに触れていこうという働きかけを強
化している。スローガンを提起し、よりわかりやすいかたちでITSSにあわせた
人材育成の端緒としている。これは、非常に取り組みやすいITSS人材育成の好
事例と言えるであろう。
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[4]【連載】芦屋広太の“人を動かす言葉”(17)
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「確実に成功する提案など有り得ない。相手の関心を探り、相手が喜んで受け
入れる提案に修正していく。それが提案を成功させる唯一の方法なんだ」
●仕事のスタイルを一瞬にして変化させる言葉
私が社会人になって、10年以上が経過しました。やってきたのは一貫してIT
関係の仕事。システム設計、プロジェクトマネージャ、システム企画に加え、
ユーザ側として要件定義も担当しました。
この中で特に難しかったのは、顧客企業や提携先に自社を採用してもらうた
めの提案でした。提案には、内容が誰にでも分かりやすいドキュメント、説得
力のある話し方が必要になります。ここでは論理性が重視されます。
そこで、私を含めた提案チームのメンバーは、分かりやすい記述内容や筋の
通ったロジックになるように何度も資料を修正しながら、説明の練習をしてい
ました。自分達の提案するシステムやサービスには自信があります。上手に説
明できれば必ずうまくいく。我々はこのように信じて準備することにしていた
のです。
しかし、我々の提案はいつもうまくいきませんでした。非常に時間をかけて
準備を行って提案活動を行うのですが、相手は興味を示さないことがほとんど
でした。一度説明して反応がないと次からは行きにくい。つまり、一度の提案
で終わってしまうのです。
こうなると、いくら提案先を見つけても無駄です。我々は次第に徒労感を覚
えるようになりました。実は、私を含めたメンバーは営業経験がありませんで
した。
当時勤務していた会社はユーザ企業のシステム子会社で、それまでは我々SE
出身者が営業を行うことはなかったのですが、会社の方針が変わり、外販を強
化することになったのです。業務システムを分かっている人間なら営業がしや
すいだろうということで、我々がシステム開発現場から提案チームに移されま
した。
こんな状況だから、我々にはセールススキル、提案スキルが不足していまし
た。だから、我々は戸惑い、自信を失うことになったのです。
そんなとき、外部のシステムコンサルタントである佐藤(仮名)が我々のチー
ムをサポートすることになりました。佐藤はフリーで契約するITセールスのプ
ロフェッショナルでした。早速、佐藤は、我々と一緒にある提案先に行きまし
た。
そのときの事後ミーティングで佐藤に言われたのが冒頭の言葉です。このと
きの衝撃は忘れることができません。つまり、我々は自分達中心でサービスを
顧客に押し付けていただけ……。プロダクトアウトの発想から抜けられなかっ
たのです。
佐藤の言葉で、マーケットイン――つまり、顧客の関心や困っていることを
サービスにし、これを顧客が満足するまで徹底的にブラッシュアップするとい
うスタイルを体得しました。佐藤の言うことは一つひとつ納得できるもので、
私は自分の仕事のスタイルが変わったことを体感できました。
仕事のスタイルを一瞬にして変化させる言葉。何年かけても変わらないこと
もあれば、「一瞬で人の思考を変化させる言葉」があることを知りました。
********* 【筆者プロフィール】 **********
芦屋広太(Asiya Kouta)IT教育コンサルタント・システムアナリスト
優秀IT人材の思考・行動プロセスを心理学から説明した「ヒューマンスキル教
育」をモデル化。日経コンピュータや書籍への発表、学生・社会人向けの講座
・研修、企業向けコンサルティングに活用している。著書に「SEのためのヒュー
マンスキル入門」(日経BP社)、「Dr.芦屋のSE診断クリニック(翔泳社)」
など。
サイト:http://www.a-ron.net
ブログ:http://d.hatena.ne.jp/officearon/
メール:clinic@a-ron.net
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[5] 【連載】『経営課題の解決者』としての人材開発担当者(2)
〜ターゲットと育成目標〜 株式会社セルム 若鍋 孝司
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育成目標が、抽象的な言葉「視点を高める」「意識を高める」ではなく、も
う一段階ブレークダウンした具体的な言葉で語る必要があることは前回触れま
した。
さて、例えば、ある日社長から次のような依頼が来たらどうしますか?
「ウチも更に既存事業を強化しなくてはいけない。現在の管理職層を見るとな
んだか物足りない気がする。先日B社の社長に聞いたら、○○という施策をやっ
ているらしい。人材育成の担当者として、どういった施策をすべきか考えて欲
しい」
多くの方が、管理職層の強化を図るべく
1)まずは、育成目標(ゴール)を設定 → 経営(需要サイド)のニーズを具現化
2)実際の現場を確認 → 供給サイドの確認
3)ギャップから課題を設定
4)解決策を検討 → 集合研修でやるべきか、外部機関を使うのか、社内講師
を使うのか
を考え、現場へ足を運びます。「いまさらこんなこと」とお感じになる方もい
らっしゃるかも知れません。
ところが、結構これが難しいのです。「教育プログラムを修了した人間は、
どんな思考ができるのか、どんなアクションがとれるのか、それによって具体
的に生み出される成果は何か」というレベルで詰めることができるのかをファ
クトベースで集めて来ることが大事です。
また、ここで打つべき施策は、単に対象層に対する能力開発ということでは
なく、その成果を生み出すための要因を多軸で捕らえ(つまり、上司の原因、
部下の原因、仕事の与え方、成果報酬……)、その影響の根源を見極め、今ま
ず打てる手を検討するステップが重要です。
今回も、弊社のお客様(5,000人規模の企業)の事例です。基盤技術を軸に
複数の事業を運営するこの企業では、顧客との仕事はすべてプロジェクトとし
て実施されるため、そのリーダーとなる(管理職手前の)メンバーが、もっと
事業を引っ張っていってほしい、というニーズがありました。
企画担当者は社内(事業部長等)や社外(顧客等)などから期待されるリー
ダーの姿を設計し、現状とのギャップを洗い出しました。「Whatを構築する力」
「あくなきHowの追求」「方向を指し示し、メンバーを牽引」……それぞれに
並ぶ行動は、あまりにも酷過ぎ、教育研修が長期に及ぶことがわかりました。
そこで、まずはベースのスキルである「コミュニケーション」を題材に取り
上げようと考えました。ところが企画担当者は、我々と相談しているうちに
「だとしても、結局は本人のがんばりだけでは達成できない要素が多い!」こ
とに気付きました。そして、今の状況を組織的レベルで捉えなおし、「リーダー
が事業をひっぱっていける体制作り」の視点で、「リーダーへのアプローチ」
「その上司へのアプローチ」そして「中長期的に次のリーダーとなるメンバー
へのアプローチ」を企画しました。
現在は3年計画での施策がスタートしています。
********* 【筆者プロフィール】 **********
株式会社セルム 若鍋 孝司(Koji Wakanabe)
大手食品メーカーでの人事部門にて、採用及び全社研修の企画を担当。
同社営業部門を経て(株)セルムに入社。関西支社立ち上げメンバーとして、
関西大手優良企業10数社の人材育成体系の企画支援、次世代経営幹部研修、
海外現地法人マネージャー研修、全社キャリア研修体系構築、企業DNA浸透
プロジェクト等をプロデュース。現在、マーケティング部門マネジャー。
サイト:http://www.celm.co.jp
メール(お問合わせ):info@celm.co.jp
メール(個人):wakanabe@celm.co.jp
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[6]【連載】君爺の新教育学談義(3)
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我々のような役人は外部と没交渉なのではないかと誤解されるかも知れませ
んが、実はセミナーや展示会、商談などの社交を大切にしています。セミナー
や商談と比べると、展示会は短時間で多様な予想外の対象に出会える場として
役立ちます。東京では6月には産業用バーチャルリアリティ展やソフトウエア
開発環境展などがあります。7月には国際オフィス機器展、自治体総合フェア、
e-learning Expo、及びヒューマンキャピタルなどがあります。
視聴覚教育や対話型教育CBTの展示会は下火になりつつありますが、例えば
産業用バーチャルリアリティ展は堅調です。教育に使える商品が結構見つかり
ます。秋のメンテンナンス・テクノショーも同様です。対話型教育は、例えば
1980年代のアップルコンピュータやFM-TOWNSの時代にもブームがありましたが、
長続きしません。教育事業の投資対売上がうまくいかずに展示予算が続かない
のでしょう。それと比べると、産業用バーチャルリアリティ展などの展示は豪
華です。
ソフトウエア開発環境展を視聴して意外に思うのは、ソフトウエア設計・開
発・試験ツールの展示があまりないことです。私は1970年代にソフトウエア工
学担当だったのですが、当時はソフトウエア設計ツールのブームでした。ブー
ムの陰に隠れていた工程モデルや設計方法論が今では常識になりました。しか
し、設計ツールは何度かブームになることはあっても定着しません。これと同
じように教育体系開発方法論ISDが今後は定着して、CBTは苦戦を続けると思い
ます。CBTは応用ソフトウエアと同様に種類別営業が鍵でしょう。
産業用バーチャルリアリティ展や自治体総合フェアには、応用ソフトウエア
などのコンピュータの展示が多種多様あります。それぞれが専門的な教育講座
に対応しているはずです。例えば半導体CADという応用ソフトウエアがあり、
それに対応して半導体設計職務があります。半導体設計講座において設計方法
論と半導体CADを教えているはずです。このような教育市場は細分されている
ので大きな売り上げは見込めないでしょう。しかし、展示会が堅調であること
から教育市場としても安定していると思います。
最近、ソフトウエア技術者協会教育分科会という研究会の会員が、我が海上
自衛隊の第2術科学校を見学しました。対話型教材のデモも視聴しました。視
聴した人達の感想の中に「射撃、操船、消火などの中核業務をCBTにしている
ことに感心した」というのがありました。CBTの主題というと情報リテラシー、
環境保護、安全対策、法律遵守などの共通基礎を選びがちです。それは教材を
作る側、売る側の論理です。受講者数を重視するのではなく、業績にとっての
重要度を加味したり、教育以外では上達が困難である度合を加味したりして、
どの講座に力を入れるかの優先度を評価しましょう。
展示場の説明員は、我々視聴者に遠慮なく業種や目的を質問してください。
名札を覗き込んでも失礼ではありません。視聴者のプロフィールを把握して、
説明の語句に盛り込むと迫力が増します。営業工程の最初は提案ではなくて、
提案要求RFPの取材です。
********* [筆者プロフィール] ********
君島浩 防衛庁教育専門官(instructional design specialist)
古参教育デザイナ。防衛庁の民間人材採用第1号。ISD技法の導入に取り組ん
でいる。富士通時代に基本ソフトウエア開発、ソフトウエア工学、ソフトウエ
ア技術者教育を担当した。著書に「新時代の研修技法」(マネジメント社)、
「日本語作文作法」(日科技連)など。
ウェブサイト: http://www2.tokai.or.jp/kimijima/
メール: mailto:mso-ced@ic.jmsdf.go.jp
所属学会:ソフトウエア技術者協会 http://www.sea.jp/SIGEDU/index.html
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[7] <月間>eラーニングマガジン第38号のお知らせ
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現在発行中のeラーニングマガジン第38号では、以下の特集を掲載しています。
▼eラーニングマガジン http://www.nextet.net/e-learning/
【 1 】“仕事”の意識を変革する連載
会社を動かすコンサルタントの思考術(1)
<経営コンサルタント 小泉 雅史>
コンサルタントはよく「企業の変革者」と言われます。迅速に経営上の問題
を洗い出し、深く分析し、トップにプレゼンする――。なぜ彼らがさまざまな
問題に果敢に取り組み、短期間でクライアントを納得させる解決策を提示でき
るのでしょうか。現場の事例を交えてその思考術を解説する、新進気鋭の経営
コンサルタント、小泉 雅史氏の新連載がスタートしました。
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【 2 】現場の事例で学ぶマネジメント連載
ヒューマン・マネジメントのテクニック(6) <芦屋 広太>
今回は、マトリックスの最後のエリア(4)――自分の支配下になく、ミッ
ションや行動のインセンティブが分かっていない人材のマネジメントについて
説明します。実は、このエリアの人材のコントロールが一番難しいといわれて
います。はたして、このエリアを乗り越えるヒューマン・マネジメントテクニッ
クとはどんなものなのでしょうか…。事例を交えてわかりやすく解説します。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
【 3 】eラーニングコース紹介
個人情報漏洩に対するリスクヘッジも万全!
NETスキルチェック(R)プレミアム「個人情報保護 意識度チェック」
個人情報保護に関する教育は、どの企業にとってもたいへん重要であると認
識されてきています。しかし、日常業務でなかなかまとまった時間が取れず、
本格的な教育が難しいのが実情ではないでしょうか。そこで、20分という短時
間で、社員個人の個人情報に関する"意識度"をチェックすることのできる、実
践的な個人情報保護教育が可能なスキルチェック型eラーニングをご紹介いた
します。
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【 4 】〜成果の連鎖における人材パフォーマンスの向上を図る〜
人材パフォーマンスを支援するチェックポイント
<株式会社インストラクショナル デザイン 中原 孝子>
前回は、「成果を生み出すサイクル」として、人材育成部門のパフォーマン
スサポート機能の重要性と、成果を生み出すサイクル成果の連鎖(Result
Chain)について解説しました。今回は、この成果の連鎖の中で、何をどうチェッ
クすれば人材パフォーマンスを支援することができるのかを解説します。
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▼eラーニングマガジン http://www.nextet.net/e-learning/
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配信先変更/部署名・役職名のご変更/お問い合せ/ご意見・ご要望は
(株)ネクストエデュケーションシンク 編集部 E-mail: ed2@nextet.net
にお送りください。配信停止のご希望は、お手数ですがこのメールにタイトル
「配信停止依頼」でご返信ください。
※ 名刺交換をさせていただいた方にもお送りさせていただいております。
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(TEL:03-5842-5148 MAIL:ed2@nextet.net)
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『NET通信』【編集・発行】
株式会社ネクストエデュケーションシンク
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編集人:斉藤実 編集デスク:戸田雅彦 編集:早川泰彦
URL:http://www.nextet.net
E-Mail: ed2@nextet.net
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