━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NET通信 《人材開発・教育戦略メールマガジン》 11月24日号 Vol.031 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ─[ INDEX ]───────────────────────────── [1]ITSSユーザー協会一周年記念カンファレンスのご案内<無料>  基調講演に英国SFIA事務局長 Ron McLaren氏 来日! [2]【連載】芦屋広太の”人を動かす言葉”(5) [3] <月間>eラーニングマガジン第32号のお知らせ ────────────────────────────────── ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [1]ITSSユーザー協会一周年記念カンファレンスのご案内<無料>  基調講演に英国SFIA事務局長 Ron McLaren氏 来日! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2004年12月15日(水)に、特定非営利活動法人ITSSユーザー協会の設立一周年を 記念して、「ITSS Users' Conference 2005」が開催されます。 当協会が普及を推進するITSSについて、その具体的な内容と研究成果が広く一般 に公開される貴重な機会です。 SFIA(英国のITスキル標準)事務局長 Ron McLaren氏の基調講演をはじめ、 ITSSの最新事例がわかるセミナーや、各種展示、WG活動報告などが盛り込まれ、 夜は一周年記念パーティも催されます。お申込みはお早めに。 詳細は >> http://www.itssug.org/event/20041215.html (株)ネクストエデュケーションシンクでは、ITSSスキル診断の豊富な実績を携えて 『NET ITSSレベルチェッカーソリューション』を展示ブースでご紹介します。 新商品『ITSSレベルパネラー(TM)<達成度指標>』、『NET-SCMS』(NETスキル チェックマネジメントシステム)をはじめとする各種ツールと、 ITSSを基にした人材育成・採用のソリューションを、新しい形でご案内します。 概要はこちらをご覧ください >> http://www.nextet.net/e-learning/32/feature/sp03-1.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [2]【連載】芦屋広太の”人を動かす言葉”(5) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「どうする、俺がやってもいいけどそれで本当にいいかい?   どちらでもいいよ。君が決めてくれればいい。」 ●人材指導で一番重要なことは「苦しんでもらう」こと  私はいままで多くの人間と一緒に仕事をしてきました。仕事を通じて人を 成長させたと実感できることもありましたが、上手くサポートできないことも 多かったように思います。  人材を成長させることができたケースを分析してみると、そこには着目すべ き共通点がありました。それは、上手く成長させた際には「被指導者が問題を 前にして苦しんでいる状況で、私が解決のヒントを与え、被指導者が自主的に 問題を解決した」と言う状況。このことから、私は人材を成長させるためには、 「(1)本人に苦しんでもらう (2)私が適切なサポートをする (3)最後は本人に 解決してもらう」という状況を作り出すことが必要だと考えるようになりまし た。その後、私は人材育成をする場合に、この考え方にしたがって指導をする ようになりました。  ある事例を紹介しましょう。ユーザ企業に提案をしていたときの話しです。 私が提案チームのリーダ、部下にA君を任命しました。A君はずっとSEとしてシ ステム開発を担当してきたので、開発に関する知識・経験は豊富でしたが、企 画やプレゼンテーションスキル、ドキュメント作成スキル、他人の心を読み、 説得するようなスキルが訓練されていませんでした。私と上司のB課長は事前に 相談し、B課長と私の役割分担と育成作戦を練りA君を指導することにしました。 私とB課長はこれまでも何回かこのように若い人材を組織的に育成した経験が あり、お互いに役割と作戦はよく理解できていました。  B君は新しい仕事ができるので非常に喜んでおり、意欲的でしたが、やはり スキルがなく、B課長に何度も資料の書き直しや提案シナリオの変更を命じら れ次第に元気がなくなり、悩むようになりました。ある日、これまでになく B課長に厳しく責められたA君は私のところに来て、「資料の構成を考えてほ しい。自分はその内容をドキュメント化するだけにしたい」と言いました。 そのときに私がA君に伝えたのが冒頭の言葉です。  一瞬はっとしたA君は少し考えた後、「自分でやるので考えを聞いてほしい」 と言いました。私はA君にヒントを与えながら考えさせ、最後まで彼に自力で やらせました。1週間後に完成した資料と提案シナリオを見たB課長はA君を 静かに褒めました。A君はよほど嬉しかったのでしょう。以後、彼はこのとき 上手くいった提案シナリオの考え方や資料の構成を繰り返すようになりました。 そうです。A君は成功体験を積み、提案に関するスキルを身につけたのです。  B課長と私の役割分担に気づかれたでしょうか?B課長はA君を苦しませる係、 私はA君をサポートし、ノウハウやテクニックを教える係です。実は、この二つ の係を同じ人がやることがあるのですが上手くいかないようです。人間は、 厳しく詰められる人間の教えを請うことに心理的抵抗があります。今回の場合、 A君はA課長にはできるだけ会いたくないし、話をしたくもなかったに違いあり ません。だから、私に助けを求めたのです。助けを求めた以上、私の言うこと やアドバイスを受け入れざるを得ないのがA君の心理です。だから上手くいった のです。  人材指導は心理的な必然を利用し科学的に行うこと・・・もっとも成長させ やすい状況を人工的に作り出して行う。これが私が経験から得た人材育成成功 モデルの基礎理論です。 ********* 【筆者プロフィール】 ********** 芦屋広太(Asiya Kouta)IT教育コンサルタント・システムアナリスト 優秀IT人材の思考・行動プロセスを心理学から説明した「ヒューマンスキル教育」 をモデル化。日経コンピュータや書籍への発表、学生・社会人向けの講座・ 研修に活用している。著書に「SEのためのヒューマンスキル入門」(日経BP社)、 「Dr芦屋のSE診断クリニック(翔泳社)」、連載記事は「成功するSEの条件」 (日経コンピュータ)、eラーニングマガジンなど。 サイト:http://www.a-ron.net 連絡先:clinic@a-ron.net ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [3] <月間>eラーニングマガジン第32号のお知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今月発行のeラーニングマガジン第32号では、以下の特集を掲載しています。  ▼eラーニングマガジン http://www.nextet.net/e-learning/ 【 1 】企業内教育の現状と課題・調査報告    〜前編 教育実施の現状とHRD部門の認識〜 有限責任中間法人人材開発協会が民間企業のHRD担当を対象に実施した 「研修・教育プログラムに関する実態調査」。 このアンケート結果から浮かび上がる企業の教育研修の実態や課題について、 教育と経営戦略との連携という視点から考察します。 前後編の2回シリーズで発表します。 【 2 】ブレンディッド型LMS紹介    あらゆる教育研修プログラムを一元管理できる学習システム"EKP" 富士ゼロックス総合教育研究所(FXLI)が提供する『EKP』 (エンタープライズ・ナレッジ・プラットフォーム)は、ブレンディッド学習 を推進する新しいLMSです。eラーニングを単独の学習手段ではなく、事業戦略 に必要な将来と現状との人的コンピテンシーギャップを埋めるための学習方法 と捉え、HRD部門の悩みを解決するソリューションとも言えます。 【 3 】組織のITSS導入やIT人材育成を全面的にサポート    『ITSSレベルチェッカーソリューション』 ネクストエデュケーションシンクより、ITSSユーザー協会の「ITスキル標準」 対応スキル診断ツールガイドラインに沿った新しいソリューションとツールが 誕生します。達成度指標で10分間で360度診断する新しいツール『ITSSレベル パネラー(TM)』をはじめとする新しいサービスを紹介します。 >> http://www.nextet.net/e-learning/32/feature/sp03-1.html 【 4 】組織の緊急課題への取り組みを支援する連載    個人情報保護とプライバシーマーク取得の知識(第2回) 第2回では、プライバシーマークの概要から取得の方法、さらにそのために 組織のトップが主体となって策定する必要のあるコンプライアンス・プログ ラムについて解説します。  ▼eラーニングマガジン http://www.nextet.net/e-learning/ ……………………………………………………………………………………………
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