「用語はわかったけど、まだeラーニングに関して疑問がたくさんある」、「eラーニングついて、こんなことを知りたい」そんな声にお応えするコーナーです。

このコーナーでは皆様からのeラーニングに関するご質問に回答していきたいと思います。
今回は、こんなご質問が寄せられました。

Q:我社では現在行っている研修内容をより効果が出るように見直したいと考えており、eラーニングの導入も検討中です。何かアドバイスはありますか。
A:eラーニングの導入と品質の高い教育プロダクトを作るという点でいま最も注目されているのが「インストラクショナルデザイン」という手法です。
インストラクショナルデザイン(Instructional Design)とは、通称IDと呼ばれており、教育プロダクトをシステム的に分析、設計、開発、実施、評価、改善する手法のことを言います。最近はIDに関するセミナーが多く開催されており、企業の研修マネージャーやeラーニング担当者、eラーニング提供企業のWBTデザイナーなど多くの参加者が出席し、各々教育体制の向上を具体的に進めています。
ID導入による効果として、カリキュラム開発における教育費用削減効果や、集合研修から通信衛生教育や自己学習システムへの移行によるコスト削減効果が上げられます。(http://www.nextet.net/id/seminar.html
Q:eラーニングを会社で導入したものの、最後まで受講せず途中で止めてしまう社員に対する指導で悩んでいます。修了を促すためにどうしたらよいでしょうか?
A:業務と平行してeラーニングの受講を進めるため、なかなか受講の時間が取れないという声を以前は聞きました。しかし実際のところeラーニングの導入に成功している企業では、業務と平行しながら教育出来るというメリットを活かしています。たとえば受講期限前に本人と本人の上司に修了を促すメールを出し、本人には学習することが、上司には教育をすることが業務の一部であるという環境を作っています。また、本人の目標管理にeラーニングにおける学習を組み込み、課題を具体的に与え、コースを修了しなかった場合の費用負担を部署や支社毎に割り当てるなどして責任管理を明確にしています。eラーニング導入を成功させるためには会社全体として取り組むことが重要と言えるでしょう。
Q:社内研修にeラーニング導入を検討していますが、コンテンツを内部で製作するか外部委託するか悩んでいます。どのようなメリットデメリットがあるのでしょうか?
A:内部製作する利点としてはコストや製品の質をコントロールできること、会社のオリジナルのものを作ることができるということがあります。ただし内容の専門性は社内専門家の知識が限界になり、全般的に画一的になりやすい傾向があります。
外部委託の利点は、様々な学習ユニットから必要なものを組み合わせて広範囲な製品を要求できることですが、コストは高くなります。
またシステムとの関係もありますので、導入初期であれば利用するシステムベンダーと相談し、適当な外部の専門機関にコンテンツ作成を委託することが望ましいでしょう。
Q:ある資格をとる勉強を始めたいのですが、スクーリングにするかeラーニングにするか迷っています。ズバリ違いは何でしょうか?
A:従来型のスクールやセミナーでは、講義の速度は講師の進め方で定められ、ビデオなどの教材を利用しても一方的なものがほとんどでした。eラーニングならば受講者自身が自分のペースに合わせて進められ、双方向型のコミュニケーションも可能なので自分の好きなときに質問、討議などができます。自分の好きな時間に、パソコンさえあればどこででも学習でき、料金もスクーリングやセミナー受講料よりは比較的安価なのがeラーニングの利点です。
Q:リアルタイム型とオンデマンド型の違いは何ですか?

A:リアルタイム型は、同期型とも呼ばれ、テレビ会議システムのように講師側と受講側双方が同時に参加し、通信網を使ってリアルタイムにコミュニケーションをとるものです。オンデマンド型は非同期型とも呼ばれ、オンラインの場合はメールやフォームなど、時間差とある程度の自動処理でコミュニケーションをとるものですが、CD-ROMのみ使用するものなどオフラインのものも含まれます。

Q:パソコン初心者でもeラーニングで学習が可能でしょうか?
A:eラーニングコースの中にはチューター、メンターのサービスがあるものが数多くあります。これらのサービスでは学習者をサポートし、質問を受け付ける体制が整っていますので、学習内容以外のことも相談にのってくれます。とは言っても、インターネットやワープロ、メールなどの機能は自分で使える状態が望ましいでしょう。
Q:eラーニングを始めるにはブロードバンド接続の環境が必要ですか?

A:eラーニングにも色々な形態があるので、基本的にCD-ROM使用などオフラインで、部分的にメールなどを使用する程度であればダイアルアップ回線でも問題ありません。学習中ずっとサイトにアクセスしたり動画配信などがあるものであれば、常時接続とISDN以上の速度の通信回線が望ましいと言えます。コースを決める前に必ず推奨動作環境を確認しましょう。パソコンの性能にも左右される場合があります。

Q:飽きっぽい性格で、今まで通信教育もすべて途中で投げ出してしまいました。eラーニングでも同じことにならないか不安です。

A:マルチメディア技術を駆使した魅力的なコースが増えていますので、紙ベースの通信教育よりは飽きさせない内容が多いです。ただし、自分のペースで進められるということは逆を言えば、自分から進める気にならなければいつまで経っても進みません。やる気を持続させない限りは、同じように途中で投げ出すことになってしまいます。講師とのメールや、受講者フォーラムなどで自分以外の学習者とコミュニケ-ションをとることで刺激になりますので、そういうものを大いに活用するとよいでしょう。

Q:色々な会社から様々なeラーニングのコースが出ているようですが、どう選べばよいのかわかりません。すべてを掲載したカタログなどがあればよいのですが。

A:日経新聞社とJMAM人材教育社共催のeラーニングソリューションネット(http://elearning.nikkei.co.jp/)には、個人向けと企業研修向けeラーニングコース検索のページがあります。ここでは国内の数多くの会社の合計2000以上のコースが希望の条件に合わせて検索できますので、学びたい分野についてどのようなコースがあるかがすぐにわかります。是非ご利用下さい。

Q:eラーニングコンテンツには、どんなものがあるのか、代表的なものを教えて欲しい。
A:現在国内には、約3,000コース以上のeラーニングコースがございます。コース数と同じくらい、コンテンツはさまざまですが、例を挙げますと、「ネットワーク入門」「Word入門」「Excel入門」「C言語」「初級システムアドミニストレータ」「マネジメント」「管理者のためのセクハラ講座」「簿記会計講座」「新入社員のためのビジネスマナー」「ビジネス英会話」「ウェブサイトデザイン」など多岐にわたります。コースは常に増えつづけておりますので、きっとお探しのものを見つけることができます。
Q:会社で内定者向けにeラーニング導入を検討しているのだが、どういったことがポイントか?

A:ポイントとしては、以下の項目があります。
・利用人数・・・少数の場合は、集合研修より割高になる場合も
・設備面・・・既存の回線のスピードや負荷、システムメンテナンスの必要性など
・内容・・・ボリュームは適正か、eラーニングに適した内容か、更新の頻度など
・形態・・・ASP型とイントラネット型どちらを選択するか(両者の機能・価格の比較)
・ベンダーの信頼度・・・どのベンダーを選択するか、そのベンダーの信頼度
以上のことに着目して検討すれば、満足のいく研修となるでしょう。
ただし、eラーニングも万能ではありませんので、集合研修と組み合わせたブレンディングなどのアプローチも大切です。

Q:eラーニングのメリットは?
A:メリットとしては以下の7項目が挙げられます。
・期間内であれば、何度でも繰り返して学習できる。
・学習環境のある場所ならば、いつでも好きなときに学習できる。
・最新の情報を提供しやすい。
・ 学習履歴を管理システムとして蓄積できる。
・ 双方向のコミュニケーションがしやすい。
・ 学習者それぞれのペースで学習を進めることが可能。
・ 企業研修に導入する場合には、集合研修のように職場を離れずに済むので、時間とコスト双方を削減できる。
先ほども書きましたが、eラーニングは万能ではありませんので、目的を明確にもって最もよい手法をとることが大切です。

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  更新履歴
2003年9月
Q:我社では現在行っている研修内容をより効果が出るように見直したいと考えており.・・・
   
2002年12月
Q:社内研修にeラーニング導入を検討していますが・・・