DXを学ぶ意義が腑に落ちた瞬間 ~生活のQOLが上がる~
本来私は、自分で考えて仕事を創りたいと思う割には、新しい情報や新しい技術には疎い方で、どちらかというとそれらを敬遠しがちな性格です。
そのため、いわゆる「今さら聞けない」ことが多くあり、その一つがデジタル、データであり、ビジネスモデルでした。
しかし子どもが順に家を出て、時間に余裕が出来るにしたがって、そういった分野へチャレンジしたい気持ちがわいてきていたのも事実でした。
正直に言えば同じ家事をこなすにしても、夫と二人の生活になった途端、時間が余ってしまったのです。
介護や農作業もあり、趣味の読書や映画鑑賞、美術館巡りは楽しかったのですが、それだけではこの先何十年も耐えられない、私も働きたい!と思いました。
また、苦手意識のある分野ではありますがデジタルや、ビジネスモデルを学ぶことで、介護などで毎日出勤することはできなくても、私も仕事ができるかもしれないと考えたのです。
私に限った話ではないですが、子育て中、介護中など、外に出て働けない事情のある方こそ、これらの新しい知識やスキルを学ぶことで、多様な働き方ができるようになるかもしれないとの思いもありました。
しかしデジタルスキルやビジネスモデルの世界は広大で、新しいビジネスモデルも日々生まれています。学ぶといってもどこから手を付けるべきか悩みました。
そこでまずは書店に通い、Amazonをチェックしました。探してみれば、デジタルスキル、ビジネスモデルの本は多数刊行されていました。
Web3、DX,IoT,AI,UIとUX、、、他にも数えきれないほどのデジタル用語があり、それらを用いた従来とは全く違うビジネスの切り口、ビジネスモデルが多く存在することを知りました。まずはそれらのビジネスモデルが説明されている本を手に取り、知識を吸収することにしました。
DXの学びがもたらした気づきと成長
タイトルに「DX」とあるビジネス書をこの当時ずいぶんと読みましたが、中でもとても印象に残っている本が2冊あります。
『DXビジネスモデル 80事例に学ぶ利益を生み出す攻めの戦略』小野塚征志
『この一冊で全部わかるビジネスモデル』根来龍之 富樫佳織 足代訓史
▲書影をクリックするとAmazonにジャンプします
この2冊は、DXを「デジタル」側から解説するのではなく、「トランスフォーメーション」側から解説していて、その結果登場した新しいビジネスモデルの事例を多く載せてあり、説明も丁寧で、いわば「DX初心者」だった私にとってはバイブルのような本でした。
仕事をするようになった現在でも、折に触れて手に取り、内容を確認する、お守りのような2冊です。
しかし、当時何も知らないところから何冊か読んでも、最初はなかなか内容が頭に入ってこなかったことも事実です。
それでも
「DXが日本で進まないのは経営者のデジタルへの意識が低いからなのか。」
「デジタル以前のマインドの問題だな」
「顧客価値を重視するからAmazonは強いのか」
「サブスクリプションは顧客のペインが深い方が上手くいくのか」
など、頭に残ることもあり、今まで意識もしていなかったことを知ることが楽しく、自分の成長を感じることができました。
デジタルスキルの重要性を改めて実感したきっかけ
丁度この頃、私は大学時代に所属していたクラブの同窓会の事務局として、総会を取り仕切るグループに入ることになりました。
ところが、コロナ渦で初のZOOM開催が決定しました。
PTAでWordやExcelを少し触ったくらいの経験しかなく、PCに触るのも怖い当時の私は、同じ境遇の主婦の友人と、全く役に立てていないと嘆くことばかりでした。
そんな中、大活躍したのはフルタイムで小規模な事務所に勤めている友人と、システム系の会社に勤めている友人の2人でした。
たまたま2人とも女性でしたが、総会当日のために借りたレンタル会議室のネット環境をチェックし、滞りなくZoomでの総会を運営してくれました。
私は、そばで見ていることしかできませんでしたが、その活躍がまぶしく感じられたのでした。
そして、この時意外なことに気づきました。
大企業に長年勤め、私から見ればビジネスのプロと思える友人たちの中にも、意外にもデジタルスキルや知識を持ち合わせていない人がいたことです。
そして、そのことを自分のペインとして自覚さえしていない、デジタルがわからない事に問題意識はなく、学びたいとは思ってもいないことに私は内心驚きました。
コロナ禍で急速にデジタル化が進んでいる今、本当にそのスタンスで良いのか?人生100年時代と言われる今、デジタルスキルの習得に年齢は関係なく、私たち全員が自分ごととして考えるべき課題なんじゃないか?
私はZOOM同窓会を通してそのように感じたのでした。
デジタルスキルは生活の質の向上につながる
このコラムを読んでくださっているみなさんの身の回りでも、たくさんの「デジタル化」が確認できるのではないでしょうか。
例えば
・買い物するスーパーのレジが無人化している
・ネットで頻繫に買い物するようになった
・ネットで他の人の評価を参考に買い物したり、遊びに行く場所を決めたりしている
・銀行に行かずにネット銀行でスマホから振り込みなどをしている
これらは全てデジタル化のなせる業で、いまやデジタル化はシステムを作る側だけのものではなく、私たち消費者一人ひとりの生活に密着しています。
これらを使いこなせるか否かで私たちの生活の質、QOLは大きく違ってくるようになったのです。
このことに気づき、改めて私はデジタルスキルとビジネスモデルを学び、更にそこから新しいビジネスモデルを創り出す考え方や、そのために学んだことを周囲に向けてアウトプットしていきたい、と思うようになったのです。
DXビジネスアンバサダー
岸 晶子
きし あきこ
都市銀行勤務後、出産を経て専業主婦に。3人の子育てが一段落した際にデジタルリスキリングを実施。その経験を活かしDXビジネス教育に関するコラム記事や大学向け教材作成などを手がける。