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組織の階層は「人間力(コンピテンシー)」がキー
【連載「人間力講座」その2】
組織の階層は「人間力(コンピテンシー)」がキー
執筆:ネクストエデュケーションシンク 代表取締役 斉藤 実
いま企業のリーダーに必要な能力として「人間力」が注目されています。
この「人間力」という言葉は、ビジネスシーンだけでなく政治やスポーツ、芸術など、様々な分野でも言われ、「優れたリーダー達が持っている高い人間性からなる能力」という広い意味で使われています。
ここでは、企業の経営者や役員、幹部、事業部長、部長、課長、マネージャという部下をお持ちのリーダーの方々が備えているべき「人間力」にフォーカスしてお話ししたいと思います。
組織における「人間力(ビジネスコンピテンシー)」の階層比較
前回のコラムでは、組織のリーダーには「人間力」が必要だと記しました。
実際、多くの企業をDX(デジタル)手法の客観診断を使って組織分析し、数値的に測定した結果、全ての組織(数百名から数千名規模)で、階層が上位の層になるほど、「人間力(ビジネスコンピテンシー)」の平均値が高いという結果が出ています。右の図(大手企業の事例)をご覧ください。
ここでは「人間力」を構成する個別のコンピテンシー項目をいくつか抜き出してグラフ化をしていますが、実際は60のほぼ全てのコンピテンシー項目の階層別平均値が、
一般社員層 < 主任・リーダー層 < 課長層 < 事業部長・部長層
の順で高くなっていることが判明しました。真ん中の0基準は、全国企業の社員人財の平均値であり、数値差を上下に%で表しています。特に事業部長・部長層は、全国平均よりも相当上回って高いことが分かります。
さらに、組織分析グラフを細かく見ていくと、この企業は国内で安定的な事業を行ってきた大手優良企業なのですが、事業部長・部長の<自信>や<責任感><リーダーシップ>が特に高く、コンセプチュアルスキル系も高く、明らかに組織の高業績リーダーの特徴が出ています。
ところが逆に<勇気>が極端に低く、また全社平均でも<イノベーション>も低くなっていることなどから、この企業の保守的な体質の課題が見えてきます。
イノベーションの実現に必要な<勇気>にはリスクテイキングの意識が欠かせず、これからのDX(デジタル・トランスフォーメーション)によるビジネス価値創造が必要な時代に向けて、上位層の意識変革と組織変革の必要性があることがわかります。
「人間力(コンピテンシー)」が高い人財を登用する手法とは
この考察で大事なことは、「コンピテンシー」とは「高業績者の行動特性」と訳されていますが、確かに「人間力(コンピテンシー)」が高い人財は、高業績を伴い、企業や周囲からも評価され昇格して、部下を持つ組織のリーダーとなって、企業のビジネス・成果を牽引しているという事実です。やはり「企業は人なり」であり、「人財とは人間力がキーである」とも言えるでしょう。
そうであるなら、企業が継続的に成長していくためには、経営者が先見性を持った経営戦略・事業戦略を練り、それを具現化できる人財戦略を立て、「人間力(コンピテンシー)」が高い人財を登用・育成することが大事だと言えます。
具体的には、まずは自社企業の経営戦略、成長に適合した「人間力(コンピテンシー)」が高い人財を、新卒や中途の採用時にしっかり見極め選抜し、あるいは社内の各部署から発掘し登用し、自社のリーダーとしてさらに必要な能力を強化する人財育成を実施。
適材適所で最適部署へ配属、実務で実践的に鍛え上げ、部下を任せ、責任感と経験を積ませ、毎年客観的に評価し、昇進・昇格させ、将来の事業責任者として活躍ができるように、中長期で戦略的な評価や育成ができる制度を構築し、自社の経営戦略を支える人事戦略を推進していくことが重要といえるでしょう。
DX時代に求められる、新しい人財像
また、自社がこれまで社員に求めてきたディメンション(能力要素)やコンピテンシーセットが、この変化が激しいVUCAと言われる先の見えない不確実な時代を乗り切れるコンピテンシーセットとして適合しているかを、最近の事業戦略や業績の推移などと照らし合わせて、もう一度見直す必要が出てきているかもしれません。
今すべての企業は、DX(デジタル変革)やVUCAの時代の変化に対応して変革することが求められており、さらに事業の寿命もどんどん短期サイクル化しており、いかに大手企業でも一歩間違えた投資判断をすれば、企業業績は大きく揺らぎかねません。
時代の変化に敏感かつ柔軟に対応し、<先見性>をもって最適な判断ができるような、新しいDX時代の推進リーダー人財像のスキルやコンピテンシーセットが求められている時代ともいえるでしょう。
※「人間力」の科学的・総合的な可視化を実現した「人間力診断™」については、詳しくはこちらの情報も参考になると思います。
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