いま人材開発部門に求められているのは、成果主義人事制度を支えるエンジンとしての「制度導入」から「制度の維持・発展」の機能であることを、先回(第36号)のeラーニングマガジンでも書きました。
3月16日に開催された社団法人日本能率協会の「成果主義人事に関する研究」でも発表されましたが、調査回答のあった会社(227社)の82%が、すでに何らかの形で成果主義人事制度を導入しており、目標管理制度にいたっては、ほぼ96%の企業が導入していると報告されていました(http://www.jma.or.jp/membership/management/AA-B205.html)。
研究会が、今後の課題と人事部門に求められる役割についてあげている5項目の中に、
「保守化は危険な兆候と自覚する」
「現場の実態を把握する」
「制度改革ではなく、意識改革を目指す」
という3点があります。まさに、先回(第36号/34号)での、今後の人材開発部門の役割と重なってくるのですが、「制度の導入」というイベントではなく、その継続的な維持機能の確立の必要性が、この研究会においても指摘されていると思います。また、同研究会において、慶應義塾大学の花田光世教授は、成果主義人事制度を成功させるための人材育成の重要性を指摘されています。そのデータの中では、人材育成への取り組み、投資の度合いと業績の相関関係も指摘されており、それは、第34号のeラーニングマガジンでも紹介した米国企業のデータとも一致しているところではないでしょうか。
この研究会の報告結果からも、成果主義人事制度の中で、人材開発部門には「投資」としての人材育成や、個人と組織のパフォーマンスをサポート・維持していく機能が重要であることが示されていると考えられます。
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