ここでもう一度、今、われわれにとってeラーニングとは何か、考えてみましょう。
以前、eラーニングは、集合研修に置き換わるもの、学習の効率を上げ、一度コンテンツを提供できれば、制限なく履修者を増やすことができコスト削減になるというメリットで紹介されてきました。一方で、一方向性のコンテンツが多いため、人との交流がない、精緻なインストラクショナル
デザインがほどこされていないなど、集合研修よりも学習の継続が難しいことが指摘されてきました。
欧米では、過去10年の経験からブレンディングアプローチがよりよい結果をもたらすとして増える傾向にあります。「eラーニングまたは集合研修か」、「eラーニングまたはOJTか」という選択ではなく、研修の最終目標を達成するための最善の方法として、eラーニングとその他の伝統的な研修方法との組み合わせがベターというデータが出ています。今後確実に集合形態の研修は減るという調査結果がありますが、その減少分をeラーニングとブレンディングがほぼ均等に穴埋めするというデータが示されています。("T+D 2004年11月号"、ASTD。"Blended
is Better" by Balancing Learning UK より)
ブレンディングの傾向は日本でも同じではないかと思われますが、ブレンディングやeラーニングをパフォーマンスに結びつけるために改めて考慮しなければならないのが、eラーニングも含めた研修全体の運営のインストラクショナル
デザインの視点に基づいた計画になってきます。eラーニングの導入は、単に"イベント"として外部の教育研修を実施するのとは違う組織的な体制やフォローアップ、ラーニング導入の業務現場におけるメリットの明確化が必要になってきます。
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