■NTT−X社
ブースも大きく、特に人だかりができていたブースの1つが、NTT−X社です。
NTT−X社はe-Learning業界の雄であり、独自プラットフォーム製品「X-carat」をはじめとして既に多くの製品とパートナー、そして実績を持っていることで有名ですが、今年の展示ではさらに幅広い製品ラインナップとパートナー網をアピールしていました。
■グローバルタスクフォース社
今年の出展者数は実に170社以上とのことでしたが、新進企業のなかでも非常に注目に値する出展が数多く見受けられました。
中でもグローバルタスクフォース社は、MBAのエッセンスを取り入れた高度なビジネススキルを、親しみやすいアニメーションとシミュレーション学習により習得できるeラーニングや、MBAのコンピテンシーをスキルと適性両面から総合的に診断し、不足スキルをチャートで知ることのできるテスティングツールなど、今までのe-Learning企業がなかなか取り組めなかった分野に果敢に挑戦していて、非常に興味深い展示でした。
■今年の出展の傾向を振り返って
近年のインフラ環境や米国e-Learningの発展、国内の「e-Learning経験値」のアップなどにより、今年の出展として次のような特長がみられました。
(1)外資系製品、及び外資系企業の来日
(2)同期型の台頭とプラットフォームの細分化・統合
(3)HR系・KM系ソリューションとの統合
(4)導入効果の強い意識・教訓指向
(5)グローバリゼーションを意識したコンテンツの台頭
(1)外資系製品、及び外資系企業の来日
今年は米国や韓国の大手ベンダー企業の製品や企業が多数展示され、非常に華やかな印象でした。
国内ベンダーの展示内にも輸入、ローカライズ製品が並び、海外e-Learningがいかに日本に先んじているかが感じられました。
米国製品は大型システムや教育工学に基づいたコンテンツ群、韓国製品は簡便で使い勝手のよい、こなれたシステムの展示が目立っていました。
(2)同期型の台頭とプラットフォームの細分化・統合
ブロードバンド化の流れを受けて、画像や音声で多数の受講者が同時にログインし、一斉に受講を進める同期型プラットフォームが大きなブースを出展し、注目を浴びていました。
また、その同期型受講機能を包含する大型のプラットフォームも登場し、e-Learningの深化を感じました。
一方でテストを作成、実行することに特化したツールや、教材作成ツール、ASP利用を前提とした低価格プラットフォームなど、目的別に選べるツールが数多く出展され、ユーザーにとって非常に購入しやすくなってきているとも感じました。
(3)HR系・KM系の機能
今後のe-Learningの飛躍に大きな期待がもてるのがを搭載した新型プラットフォームの登場です。
従来型の「教育コースの効率的な配信と管理」という概念を飛び越え、人材管理や人員配置、ナレッジの共有と発展という領域にまでe-Learningが進化してきているということは、新たな「e化のメリット」を生みだし、ますますe-Learningが大きな市場となっていくことを意味しています。
(4)導入効果の強い意識・教訓指向
今年は各ブースやセミナーで盛んに、実際の導入事例などから結果を反省し、安易な導入への警鐘をならすような提言が叫ばれていました。これは裏を返せば各社の差別化競争が激化してきたことなのかもしれません。
(5)グローバリゼーションを意識したコンテンツの台頭
最後に、英語学習コンテンツ、「英語で」学習するコース、MBA型教育コンテンツなど、世界で活躍する人材を育てるためのコースの出展が目立ってきたことをあげたいと思います。
インターネットの進歩により、ますます海外との距離が近くなっていることを象徴しているのかもしれません。
|